外観検査では、製品や部品の品質を確認するために、カメラで画像を撮影し、その画像をもとに欠陥などを検出します。検査の精度を大きく左右するのが、適切な照明の選択と設定です。人間の目では捉えにくい情報を見るために、赤外LED光源が役立ちます。
人の目には見えない近赤外(NIR)領域の光を発する照明のことです。一般的な赤外LEDは、人の目に見える赤い光を発するのに対し、赤外LED光源は目に見えない赤外線を放出します。
「見えない光」を用いることで、従来の可視光照明では難しかった検査が可能です。LED照明は、消費電力が少なく長寿命で、かつ点灯の反応が速く、様々な形状や色の光を作り出せるため、外観検査の主要な光源として広く用いられています。
赤外LED光源は、可視光と比較して反射の影響を受けにくい特性を持っています。特に近赤外波長は、光沢のあるパッケージや金属表面での鏡面反射を軽減し、検査対象の輪郭や欠陥部分を明瞭に捉えることが可能です。
例えば、インクやラミネートが施された包装材において、光の映り込みやハレーションを抑えることで、背景のノイズを減らし、検査精度を安定させられます。赤外撮像は医療・半導体分野でも用いられており、反射の少ない画像取得が求められる現場で広く活用されています。
物質内部の構造を可視化する手段としても利用されます。赤外波長は可視光に比べて透過性が高く、特にプラスチックやシリコン、インクなどを通過しやすい性質です。
そのため、包装材の下に隠れた異物や、シール部の密封不良、樹脂製部品内部の割れなど、表面からは見えない欠陥を検出できます。
赤外LED光源は、可視光検査では見落としやすい欠陥にも反応するため、非破壊かつ非接触での内部検査が可能となります。
可視光下では背景や印刷模様と同化してしまいがちな異物も、赤外LED光源を利用することで素材間の反射率や透過率の差が強調されるので、スムーズに判断可能です。
水分が含まれている異物や、有機物で構成された対象物の場合、波長選定により明暗差が大きく出るため、パッケージ内の繊維片・粉体などの異物を早期発見できます。
可視光照明による樹脂成型品の検査では、表面の状態しか確認できないため、裏面や内部に生じた傷の検出は困難です。
この課題を解決するため、本事例では近赤外波長を利用したLED光源を採用。結果として、樹脂内部や裏面に入った傷を透過的に検出できるようになりました。従来は検出が難しかった欠陥も安定して把握できるようになり、品質向上につながっています。
画像処理用の近赤外線LEDシリーズ製品です。850nm~1,650nmの波長に対応するモデルをラインナップしており、樹脂材料の種類や厚みに適した波長を選定できます。
特許出願済の独自技術(非結像光学系)を搭載しているため、視野全体を均一に照射することが可能です。
また、光源(LED)とファイバーを一体化したユニットに、光量をモニタリングする仕組みを組み込んでおり、LEDの劣化や温度変化に合わせて自動的に光を一定に保てます。
傷検査のほか、寸法検査、位置ずれ検出、貼り合わせ精度検査、パターンずれ検出、形状検査など、幅広い外観検査用途に対応可能です。
赤外LED光源を選ぶ際には、「検出したいもの」を明確にすることが重要です。検査対象となるワークの材質や表面の状態(光沢の有無、凹凸の程度)、検出したい欠陥の種類(異物、傷、割れ、形状、水分など)を明確にしましょう。
例えば、素材の内部にある異物や割れを見つけたい場合は、光が透過しやすいバックライト照明が適しています。
光沢の強い金属や樹脂表面の微細な傷を検出する際は、まずローアングル照明や偏光照明を用いてハレーションを抑えるのが基本です。その上で、ワークの材質や傷の深さに適した波長(光の色)を選ぶと、さらに傷のコントラストを強調できます。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。