外観検査は、ものづくりの現場で欠かせない工程です。しかし、肉眼では見つけるのが難しい微細な傷や汚れなど、一般的な照明では「見えない」欠陥も多く存在します。
そのような「見えないもの」をはっきりと可視化し、より確実な検査を可能にするのが、UV(紫外線)のLED光源です。今回はUV-LED光源を用いた外観検査の特徴や使用するメリット、活用事例についてご紹介します。
紫外線(UV)の波長を持った光を照射するLED照明です。一般的な照明が空間を明るく照らすことを目的とするのに対し、外観検査用のUV-LED光源は、特定のワークを照らし、「見えないものを可視化する光源」として使われます。
この光が当たると、ある種の物質は反応して光る(蛍光)、もしくは光を吸収してコントラストが変わるため、肉眼では捉えられない微細な特徴や隠れた問題が発見できます。
可視光ではうまく検査ができなかったワークも、UV-LED光源を用いることで検査が可能になるケースもあります。
紫外線照射によってワークが蛍光を発する現象を活用し、微細な傷や割れ、リークを検出できるのが利点です。
航空・自動車産業で使われる非破壊検査手法では、目に見えないヒビや傷に蛍光液をしみ込ませ、暗い場所でUV(ブラックライト)を当てることで、目視+画像処理で検出します。
また、紫外線(波長域315~400nmのUV-A)の光源をブラックライト下で照射する蛍光検査では、割れや漏れ、不良塗布などを簡便に可視化する手法として活用されています。
透明素材の表面や内部、洗浄後に残った微量な物質を可視化する際にも力を発揮します。多くの油分や液体はUV光の下で光るのが特徴です。そのため、製造工程でワークに付着したグリスや、消毒液のような透明な液体中の異物などにUV-LED光源を当てて検査をします。
UV光源の主流であった水銀ランプには、有害物質である水銀が含まれていますが、UV-LED光源装置は半導体のため、水銀を一切含みません。ランプ破損時の健康リスクや環境汚染の心配がなく、廃棄も容易です。
また、水銀ランプは有害なオゾンを発生させる短波長の紫外線(185nmなど)も放射します。対して、UV-LED光源装置はオゾンが発生しないため、排気設備が不要です。
可視光照明による検査では、コントラストがあまり出ないため、画像処理でメッキの剥がれを検出するのは非常に困難です。
この課題を解決するため、本事例ではUV-LED光源を採用。メッキが剥がれて露出した下地素材がUV-LED光源に反応して僅かに蛍光(発光)するのに対し、正常なメッキ表面は蛍光しないため、その輝度の差によって剥がれ部分が明確に浮かび上がります。その結果、メッキの剥がれ部分を画像処理で安定して検出できるようになりました。
UV-LED光源を使用する画像処理用のシリーズ製品です。2種類のピーク波長(395nmと365nm)に対応するモデルを展開しており、検査対象や目的に応じて選択できます。
微細な傷や残留物を蛍光させて確実に検出したい場合は、蛍光能力の高い365nmを選択。UV硬化のように強い蛍光が必要ない場合や、検査対象が395nmでも十分に蛍光する場合は395nmを選択することが可能です。
UV-LED光源を使った外観検査では、肉眼では見えにくい欠陥の可視化に効果的です。
UV光には、波長の長さによってさまざまな種類があり、紫外線には波長域の異なる3つの種類(UV-A・UV-B・UV-C)がありますが、工業用途の外観検査用途では波長域が315~400nmのUV-Aを使用するのが一般的です。用途に応じて適した波長を選びましょう。
光の明るさ、つまり「強度」も選定の重要な要素です。照度をより効率的に確保するには、ワークとの距離を調整する必要があります。
光源を近づければ光のロスが減り、必要な強度を得やすくなります。ワークの材質や表面の状態(光沢の有無、凹凸、透明度など)も考慮に入れましょう。
また、照明を当てる距離、表面の光り方によっても見え方が変わります。ハンディタイプのライトや、安定した明るさを保つ装置などもあるため、用途に合わせて選ぶことが大切です。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。