本記事では、工場の外観検査において使用されるハロゲンランプに見られる発熱、消費電力の大きさ、寿命の短さ、光質の経時劣化といった運用上の課題に対し、LED照明がどのような改善効果をもたらすかについて紹介します。
ハロゲンランプは、タングステンフィラメントの白熱による発光を利用しています。使用時間の経過とともにバルブ内面にタングステンが付着する「黒化」が発生しやすく、照度や色温度が非線形に変動するというデメリットも。
一方で、LEDは半導体によるエレクトロルミネッセンスを用いた発光原理を採用しており、一定時間後も比較的安定した光出力を維持しやすいという利点があります。
ハロゲンランプは一般的に5,000時間未満の寿命とされ、定期的な交換が避けられません。一方で、LED照明の寿命は30,000~60,000時間(目安)。長期間の使用にも向いています。
一般的に、LED光源はハロゲン光源と比べて高効率・低消費電力で、同等の照度をより少ない電力で実現しやすいとされています。また、LEDは放射熱が少なく、熱影響を避けたい対象物の検査にも適しています。
LED照明の特性の一つとして挙げられるのが、応答が高速である点です。ON/OFFやストロボ制御にも対応しやすく、ちらつきの少ない安定した発光が得られるため、精密なタイミング制御が求められる画像処理検査用途にも適合します。
LED照明は経時劣化が緩やかで、照度や色温度の変動が少ないため、検査条件が安定します。ハロゲンランプに見られる非線形な出力低下や色むらが原因となる過検出・見逃しリスクを抑えやすいため、再キャリブレーション頻度の低減につながります。
LEDは長寿命であるため、照明交換の頻度が減り、突発的な保守対応が発生しにくくなるという利点があります。さらに、L70(LED寿命の評価指標で、光束が70%まで低下するまでの時間)といった劣化基準に基づいた予防保全への移行が可能に。計画停止への統合や保全業務の省力化にもつながります。
高効率なLED照明は、消費電力だけでなく発熱も抑制され、空調負荷の軽減にも貢献します。連続稼働ラインでは、照明と空調を含めた工程単位での電力原単位を下げやすく、総所有コスト(TCO)の改善につながる手段となるでしょう。
LED照明は応答性や波長の選択性にも優れており、ストロボ撮像や色補正を伴う可変条件下での検査にも対応可能。工程変更や品種切替に柔軟な照明制御ができるようになるため、生産性・検査再現性の両立が実現します。
安定稼働・微細欠陥検出・熱の影響回避・多品種対応が求められる現場では、ハロゲンランプよりLED光源が適しています。LEDは光量劣化が緩やかでフリッカーが少なく、設定を長期にわたり維持でき、再キャリブレーションや停止を抑えて検査の安定性を高められるからです。
加えて、青色など狙った波長やローアングル照明を使い分けやすく、μm級のキズ・バリ・刻印ムラを高コントラストで可視化でき、ハロゲンでは難しい微細欠陥の検出に有利です。高出力LEDは素子温度が上がるため放熱設計が必須ですが、樹脂・食品・医薬・電子部品など「熱に弱い製品」でも近接照明が可能。品質への影響を最小化できる光源といえます。
LED光源装置は、検査の目的や使用する工程によって、求められる性能や制御方式が大きく異なる装置です。しかし仕様の違いが検査結果にどう関わるかは分かりづらく、選択に迷いがち。
このサイトでは画像処理・自動検査・目視検査といった検査目的に応じて適したLED光源装置を紹介しています。おすすめの装置の特徴や導入事例もまとめていますので、導入を検討中の方はぜひ参考にしてください。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。