接着剤は、自動車、航空宇宙、エレクトロニクスなど多様な分野で使用され、接着品質は製品の安全性と機能性に直結します。従来の点測定では検査が難しいケースがあり、手動検査では塗りムラや充填不足などの異常を見落とすリスクがありました。そのため製造現場では、接着剤の不足や過剰を検出し、プロセスの効率を維持できる定量的かつ面的な検査手法が求められています。
赤外線技術を用いた接着剤検査にはいくつかのアプローチがあります。ここでは、アクティブサーモ法や赤外線カメラによる可視化など、各手法の特徴を解説します。
アクティブサーモ法は、検査対象を周期的に加熱し、赤外線カメラで測定する非破壊検査手法です。加熱方式には、比較的深い位置を対象とするハロゲンランプ、浅い位置向けのフラッシュランプ、広範囲を均一に加熱するレーザなどがあります。3Dロックイン解析を用いることで任意の深さの接着状況を解析でき、鋼板では約3mmの厚さまで対応可能です(※)。
多くの材料が特定の波長帯の光を吸収する性質を利用し、目視では透明に見える接着剤の塗りムラや乾燥状態を動的かつ二次元に可視化します。接着剤厚みの二次元測定において、μmオーダーでの評価が可能になり、従来の点測定では難しかった面的で高速な検査を実現します。
赤外線検査は非破壊・非接触で動作するため、接着剤塗布プロセスの中断や汚染のリスクがありません(※)。また、広範囲な検査エリアを短時間で評価でき、リアルタイムモニタリングにより不均一な塗布や不良を即座に検出可能です。適用分野として、金属材料、異種材料(鉄-アルミ等)、複合材料(CFRP等)、包装材の接着部の評価が挙げられます。とくに、自動車、航空宇宙、エレクトロニクス分野で品質管理のドキュメンテーションとして需要があります。
赤外線検査にLED光源装置を活用すると、均一な照射により検査ムラを低減できます。LEDは長寿命かつ省エネルギーで、発熱が少なく検査対象への熱影響を抑えられる点がメリットです。検査装置の導入時には、LED光源装置を組み込むことで、検査精度の安定化と運用コストの削減が期待できます。
接着剤検査では、塗布量の不足や過剰、塗りムラ、充填不足などを安定して検出できるかが重要です。目視では透明に見える接着剤でも、特定の波長帯では吸収や反射の差が出る場合があり、赤外線カメラと組み合わせることで塗布状態を二次元的に可視化しやすくなります。
そのため、LED光源装置を選ぶ際は、単に明るさだけでなく、接着剤や基材に対してコントラストが出る波長を確認する必要があります。接着剤の種類や基材によって見えやすい波長は異なるため、実際のワークを用いて最適な波長を検証することが重要です。
接着剤の塗布ムラや厚みムラを検査する場合、照明ムラがあると、接着剤による濃淡差なのか、照射のばらつきなのかを判別しにくくなります。特に薄膜の接着剤や透明材料では、わずかな濃淡差を画像処理で判定するため、照明の均一性が検査精度に直結します。
検査範囲全体を安定して照らせるLED光源装置を選ぶことで、画像上の明るさのばらつきを抑え、塗布状態の違いを抽出しやすくなります。面的に接着剤の状態を評価する検査では、高輝度であることに加え、照射ムラの少ない均一な光源を選ぶことが大切です。
接着剤検査では、接着剤そのものだけでなく、金属、樹脂、ガラス、フィルム、複合材などの基材との見え方の差も考慮する必要があります。基材と接着剤の反射や吸収の差が小さい場合、通常の可視光では塗布範囲やムラを判別しにくいことがあります。
このような場合は、赤外線や近赤外線などの波長を検討し、接着剤と基材のコントラストが最も出る条件を探します。接着剤検査では、接着剤だけを見るのではなく、基材との見え方の差を作れるLED光源装置を選ぶことが重要です。
接着剤の品質管理では、塗布量だけでなく、乾燥状態や水分ムラの確認が必要になる場合があります。乾燥不足や水分の偏りは、接着強度や製品品質に影響する可能性があるためです。
赤外線カメラを用いた検査では、材料や水分が特定の波長帯で示す吸収特性を利用して、目視ではわかりにくい乾燥状態やムラを可視化できるケースがあります。乾燥状態まで検査したい場合は、接着剤の塗布有無だけでなく、水分や硬化状態の差が出る波長帯を確認しましょう。
製造ライン上で接着剤検査を行う場合、搬送速度に合わせてブレの少ない画像を取得する必要があります。露光時間を短くすると画像が暗くなりやすいため、十分な光量を確保できるLED光源装置を選ぶことが重要です。
また、カメラや画像処理システムと連携し、検査タイミングに合わせて安定した照射ができるかも確認したいポイントです。インラインで接着剤の塗布状態を検査する場合は、光量・照射範囲・発光制御を含めて選定する必要があります。
接着剤や基材の種類によっては、検査時の熱影響にも注意が必要です。過度な熱が加わると、接着剤の乾燥や硬化状態に影響したり、検査結果にばらつきが出たりする可能性があります。
LED光源装置は、長寿命で省エネルギー性に優れ、従来の光源と比べて発熱を抑えやすい点がメリットです。接着剤の状態を安定して評価するには、必要な光量を確保しながら、ワークへの熱影響を抑えられる光源を選ぶことが大切です。
接着剤検査に適したLED光源装置は、接着剤の種類、基材、検査したい項目、塗布幅、ライン速度、赤外線カメラとの組み合わせによって変わります。カタログ上の明るさだけで判断するのではなく、実際のワークを用いて、波長・照射範囲・均一性・撮像条件を検証しながら選定しましょう。
「透明な接着剤の塗布状態が見えにくい」「塗りムラや厚みムラを面で確認したい」「赤外線カメラに合う光源条件がわからない」など、接着剤検査では、接着剤の種類や基材、検査目的によってLED光源装置に求められる性能が大きく変わります。
だからこそ、検査目的に合ったLED光源装置を選ぶことが、塗布ムラや充填不足の見逃しを防ぐ第一歩です。自社の接着剤検査や外観検査の条件に合うLED光源装置選びにお役立てください。
接着剤検査における赤外線技術は、品質保証と工程改善に有用です。さらにLED光源装置を組み合わせることで、より安定した検査体制の構築が見込めます。こうした技術の効果を十分に引き出すためには、検査対象の素材や現場の環境に合った機材選びが重要です。
当メディアでは、外観検査に適したLED光源装置を紹介しています。自社の製造ラインに合った検査体制を構築するための参考にしてください。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。