チップクラックとは、MLCC(積層セラミックチップコンデンサ)や半導体チップなどの電子部品に生じる微細なひび割れのことです。実装基板への応力(反り・たわみ・捻じれ)やダイシング・ダイボンディング工程での機械的衝撃が主な発生原因として知られています。
内部クラックは外観からの確認が困難であり、製品の信頼性低下や絶縁破壊を引き起こすリスクがあります。製造品質を安定して維持するためには、適切な検査体制の構築が欠かせません。
顕微鏡を用いた外観検査は比較的容易に実施できますが、部品内部のクラック検出には限界があります。より高精度な非破壊検査として、X線透視観察やCT観察が広く活用されています。
CT観察には斜めCTと直交CTの2種類があります。斜めCTは非破壊で実施可能ですが、像が変形する点に注意が必要です。直交CTは高精度な断面像を取得できる一方、基板の加工が求められます。検査目的に応じた使い分けが大切です。
リーク電流測定は、外観では検出できない微小クラックを電気的に捉える手法です。チップ外周部に検査用配線を設け、電圧を印加することでクラックの有無を判定します。
目視では確認が難しい内部欠陥も検出可能であり、品質管理工程において信頼性の高い検査方法として採用が進んでいます。
しかし、実装後の基板に対してテストプローブを用いる電気的検査では、特有のリスクに注意しなければなりません。プローブの押し圧力によって基板がたわみ、かえって新たなチップクラックやはんだ割れを誘発してしまう可能性があるためです。
防ぐにはサポートピンや専用治具による厳重な固定が必要となり、検査工程の複雑化やコスト増を招く要因となります。接触型の検査には物理的なリスクや課題も伴うため、非接触で行える外観検査(光学検査)の精度をいかに高めるかも、検査体制を構築するうえで重要なポイントになります。
光学検査において、光源の性能は検査精度を大きく左右します。LED光源装置は高輝度かつ均一な照射が可能であり、チップ表面の微細なクラックや欠陥の視認性向上に効果的です。
長寿命・省エネルギーによる運用コストの削減も大きなメリットです。発熱が少なく安定した光量を維持できるため、検査環境の安定化にも寄与します。
コンパクトな設計の製品が多く、既存の検査装置への組み込みにも柔軟に対応可能です。検査装置の新規導入やリプレースを検討している企業にとって、LED光源装置は検査品質と業務効率の両面で有力な選択肢といえます。
チップクラック検査では、チップ表面に生じた微細なひび割れや欠けを、画像上でどれだけ明確に捉えられるかが重要です。クラックは周囲との色差が小さい場合も多く、通常の照明では背景に埋もれてしまうことがあります。
表面の微細な凹凸や割れを検出したい場合は、斜め方向から光を当てる斜光照明や、暗視野照明を検討します。正常な平面部分の反射を抑えながら、クラック部分の散乱光を強調できるためです。チップクラック検査では、クラックそのものを明るく照らすのではなく、正常部との差が出る光の当て方を選ぶことが重要です。
MLCCや半導体チップなどの電子部品は、表面状態や電極部の材質によって光を強く反射することがあります。反射が強すぎると画像が白飛びし、細いクラックや欠けの輪郭が見えにくくなります。
このような場合は、拡散照明や同軸照明、偏光板の活用によって反射を抑える方法があります。特に平坦なチップ表面の検査では、均一な照射によって明るさのムラを抑え、クラック部分のわずかな濃淡差を捉えやすくすることが大切です。反射の影響を受けやすいワークでは、光量だけでなく、反射を制御できる照明方式を選ぶ必要があります。
チップクラックは非常に細く、検査画像上ではわずかな線や影として現れることがあります。そのため、照明にムラがあると、クラックによる濃淡差と照明ムラの判別が難しくなり、誤検出や見逃しにつながるおそれがあります。
画像処理で安定して判定するには、検査範囲全体に均一な光を当てられるLED光源装置を選ぶことが重要です。また、高速なインライン検査では露光時間が短くなるため、十分な光量を確保できるかも確認する必要があります。微細なチップクラックを安定して検出するには、高輝度であることに加え、照射ムラの少ない均一な光源が求められます。
チップの材質や表面処理、電極部の色によって、クラックが見えやすい照明色や波長は変わります。白色光で十分なコントラストが得られる場合もありますが、対象物によっては特定の波長を用いたほうがクラックや欠けを強調しやすいケースもあります。
たとえば、表面の色ムラや電極部の反射が検査の妨げになる場合は、照明色を変えることで背景とのコントラストを調整できる可能性があります。チップクラック検査では、検査対象の材質や表面状態に合わせて、最もクラックが見えやすい波長をテストすることが大切です。
LED光源装置の選定では、照明だけでなく、カメラやレンズとの組み合わせも重要です。どれだけ適切な光を当てても、カメラの解像度やレンズの倍率が不足していると、微細なクラックを画像上で十分に捉えられません。
特に小型チップや高密度実装部品を検査する場合は、検出したいクラック幅に対して十分な画素分解能を確保する必要があります。光源・カメラ・レンズを一体で検証し、クラックの見え方と画像処理の判定しやすさを確認することが重要です。
チップクラック検査をインライン化する場合、既存の検査装置や搬送ラインにLED光源装置を組み込めるかも確認が必要です。装置内のスペース、ワークとの距離、カメラの設置位置によって、使用できる照明形状は変わります。
また、搬送速度に合わせて安定した撮像を行うには、カメラの撮像タイミングとLED光源装置の発光を同期できるかも重要です。既存ラインへ導入する場合は、照明性能だけでなく、設置性・調光性・同期制御への対応も含めて選定しましょう。
チップクラック検査に適したLED光源装置は、クラックの位置や大きさ、チップ表面の材質、反射の強さ、検査速度、既存装置の構成によって変わります。カタログ上の明るさだけで判断するのではなく、実際のワークを用いて、照明方式・波長・照射角度・カメラとの組み合わせを検証することが、検査精度の向上につながります。
「微細なクラックが画像上で見えにくい」「チップ表面の反射で白飛びしてしまう」「接触検査による基板への負荷を減らしたい」など、チップクラック検査では、検査対象や工程条件によってLED光源装置に求められる性能が大きく変わります。
だからこそ、検査目的に合ったLED光源装置を選ぶことが、クラックの見逃しや誤判定を防ぐ第一歩です。外観検査の目的別に適した装置を確認し、自社の電子部品検査や品質管理体制に合うLED光源装置選びにお役立てください。
チップクラック検査は、電子部品の信頼性を確保するうえで欠かせない工程です。外観検査、X線検査、電気的検査にはそれぞれ得意分野があり、複数の手法を組み合わせることで検出精度がさらに向上します。
光学検査においてはLED光源装置の活用が、検査品質の向上と業務効率化に大きく貢献します。検査体制の強化や検査装置の導入・更新を検討されている方は、LED光源装置の導入もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。