電子部品の外観検査手法や事例を紹介

目次

製品全体の性能と信頼性を左右する電子部品は、年々小型化が進んでいます。人間の目による検査だけでは微細な欠陥を見逃してしまう可能性があるため、製造現場では、カメラと画像処理技術を用いた外観検査が広く導入されるようになりました。

本記事では、安定した品質を確保しつつ、生産効率を向上させるための外観検査の特徴や種類、検査事例について解説します。

電子部品でよくある検査用途

電子部品の製造工程では、製品の信頼性と性能を保証するために、様々な外観検査が行われます。代表的な検査対象としては、ワークの表面に付着した異物や汚れ、微細な傷やバリ、欠け、変形などがあります。

また、印字やマーキングの確認や、電気的な特性に影響を及ぼすハンダ付けの状態、ワークの形状・寸法チェックも重要な検査項目です。

これらの検査は、半導体ウェハやチップコンデンサ、抵抗、LED、コネクターなど、多岐にわたる電子部品に対して実施されます。

電子部品の外観検査の種類

電子部品の外観検査は、製品が設計通りに機能し、安全性を維持するために欠かせない工程です。外観検査の具体的な項目は多岐にわたりますが、主に以下の種類に分類できます。

ハンダ検査では、ハンダ量の過剰や過少をはじめ、隣接する部分へのハンダの付着(ブリッジ)や、内部にできた気泡(ボイド)、表面のひび割れ、母材への馴染みの不足(イモハンダ)といった問題がないか確認します。

印字・マーキング検査では、ワークに印字された型式やロット番号、日付コードなどの文字が正確であるか、かすれやズレがないかをチェック。

また、製造過程で生じる微細な傷やワーク形状の異常、バリ、欠け、異物付着、色ムラなどを検出する作業も重要です。加えて、ワークが適切な位置に搭載されているか、未実装の箇所や位置ズレ、浮きがないかも確認します。

電子部品の外観検査事例

近赤外を使用したフィルムの
貼り合わせ精度検査(ユーテクノロジー)

近赤外を使用したフィルムのアライメント
画像引用元:ユーテクノロジー公式HP
https://www.u-technology.jp/case/2816
課題:正確な認識が困難で精度が低下

基板へのフィルム貼り合わせ工程では、アライメントマークを基準に位置決めを行います。しかし、可視光照明ではマークが薄くコントラストが低いため正確な認識が困難でした。

加えて、可視光ではフィルムの透過率が低く、貼り合わせポイントの視認性も悪化し、アライメント精度の低下を招いていました。

近赤外を使用したフィルムのアライメント
画像引用元:ユーテクノロジー公式HP
https://www.u-technology.jp/case/28169
結果:貼り合わせポイントの
視認性も改善

そこで、ユーテクノロジーのハイパワー近赤外LED光源に切り替えた結果、フィルム上のアライメントマークを鮮明に強調できるようになりました。

近赤外光によりフィルムの透過率が向上し、貼り合わせポイントの視認性も改善。結果として、アライメント精度の向上に成功し、安定した位置合わせを実現しました。

参照元:ユーテクノロジー公式HP(https://www.u-technology.jp/case/2816

パソコン用メモリの外観検査(CCS)

パソコン用メモリの外観検査
画像引用元:CCS公式HP
https://www.ccs-inc.co.jp/solution/case/imaging/industry_semiconductor.html
課題:均一な撮像が難しい

従来使用していた角型ローアングル照明「FPQ2-120SW」では、メモリ基板の外観を均一に撮像することが難しく、輪郭の映り込みや四隅部分のばらつきが課題となっていました。

パソコン用メモリの外観検査
画像引用元:CCS公式HP
https://www.ccs-inc.co.jp/solution/case/imaging/industry_semiconductor.html
結果:四隅まで鮮明に、安定した検査へ

CCSの「FPQ3-100X50SW」を導入。4方向から均一拡散光をローアングルで照射することで、四角形ワークの特性に適した撮像を実現。メモリ外観を均一に捉えられるようになり、検査の精度と安定性が向上しました。

電子部品の外観検査システムを
構成する要素

電子部品の外観検査は、照明・カメラ・画像処理を組み合わせ、対象の状態を明確に可視化する重要な工程です。ここでは、外観検査システムを構成する要素をご紹介します。

LED光源装置

欠陥やワーク(検査対象)に合わせて照明を選べるのが特徴です。例えば、影や反射を抑え全体を均一に見るには拡散光、光沢面の微細な傷を捉えるにはコーキシャル照明(同軸から光を当て、鏡面の傷や印字を見やすくする方式)が有効です。

また、輪郭や欠けの検出にはバックライト、表面の凹凸や傷の強調にはローアングル照明が用いられます。

LED光源装置は、画像処理・自動検査・目視検査など、用途によって求められる性能が異なります。このサイトでは外観検査の目的別におすすめ装置をご紹介。自社に合う光源選びの参考にしてください。

ローアングル照明+エリアカメラ

ローアングル照明は、検査対象に光を斜め方向から当てる照明方法です。ワーク表面のわずかな凹凸や傷、バリ、テクスチャの変化などに影を作り出すことで、それらの特徴を際立たせられます。

一方、エリアカメラは、広範囲の画像を一度に撮影できるカメラです。ワーク全体や広い面積をまとめて検査する際に役立ちます。

ローアングル照明とエリアカメラを組み合わせることで、広範囲にわたるワークの表面の異常を、微細な特徴を強調しながら捉えることが可能です。

リング照明+カラー撮像

リング照明は、部品の周囲に円形に配置されたLEDによって光を照射する方式です。この照明の利点は、ワーク全体に均一な光を当てやすいことにあり、ワーク全体の形状を確認する際に役立ちます。

一方、カラー撮像とは、カメラが輝度(明るさ)だけでなく、色情報も含んだ画像を取得する技術です。ワークの変色や特定色の異物付着、カラーコードの読み取りなど、色に関する検査で使われます。

モノクロ画像では判別が難しいわずかな色の差も、カラー撮像であれば明確に捉えることが可能です。

電子部品検査に適したLED光源装置の選び方

検出したい欠陥に合わせて照明方式を選ぶ

電子部品の外観検査では、検出したい欠陥の種類によって適したLED光源装置が変わります。表面の傷、打痕、異物付着、欠け、はんだ不良、印字不良、位置ズレなどは、それぞれ画像上での現れ方が異なるためです。

たとえば、表面の微細な傷や凹凸を検出したい場合は、斜光照明や暗視野照明が候補になります。一方、部品の輪郭や形状、位置ズレを確認したい場合は、バックライトや同軸照明が適するケースもあります。電子部品検査では、傷・異物・欠け・印字・位置ズレなど、検出したい不良に合わせて照明方式を選ぶことが重要です。

金属端子や光沢面の反射を抑えられる光源を選ぶ

電子部品には、金属端子、電極、リード、はんだ部など、光を強く反射しやすい部分があります。照明の光が正反射すると、画像が白飛びしてしまい、傷や汚れ、はんだ不良の輪郭が見えにくくなることがあります。

このような場合は、拡散照明やドーム照明、偏光板を組み合わせた照明構成を検討します。不要な反射を抑えながら、検査したい部分の濃淡差を安定して出しやすくなるためです。金属端子や光沢面を検査する場合は、光量だけでなく、ハレーションを抑えられる照明方式を選ぶことが大切です。

微細な傷や異物は低角度・暗視野照明で強調する

電子部品の表面にある微細な傷や異物は、正面から光を当てるだけでは背景に埋もれてしまう場合があります。特に小型部品では欠陥サイズが小さく、正常部とのコントラストがわずかしか出ないこともあります。

低角度から光を当てる斜光照明や暗視野照明を使うと、正常な平面部分の反射を抑えながら、傷や異物による散乱光を強調しやすくなります。微細欠陥を見逃さないためには、欠陥の凹凸や散乱光を拾える照射角度を選ぶことが重要です。

印字・刻印検査では文字が読み取りやすい波長を選定する

電子部品では、型番、ロット番号、極性マーク、レーザー刻印などの印字検査が必要になることがあります。印字や刻印は、素材色や表面状態によって見え方が変わるため、照明色や波長の選定が重要です。

白色光で十分なコントラストが出る場合もありますが、部品色や印字色によっては、赤色、青色、近赤外などの波長を使い分けたほうが読み取りやすくなる場合があります。印字・刻印検査では、文字と背景のコントラストが最も出る波長を、実際のワークで確認することが大切です。

フィルム・樹脂越しの検査では近赤外線を検討する

電子部品の検査では、フィルム越しに位置合わせマークを確認したり、樹脂や保護材の下にある部品・パターンを見たいケースがあります。可視光ではフィルムや樹脂の影響を受け、マークや貼り合わせ位置が見えにくくなる場合があります。

このような場合は、近赤外線やSWIR領域に対応したLED光源装置を検討します。対象材料を透過しやすい波長を選ぶことで、表面の影響を抑え、内部や下層の特徴を捉えやすくなる可能性があります。フィルム・樹脂越しの電子部品検査では、可視光だけでなく、透過性の高い波長を検証することが重要です。

高速自動検査では高輝度・発光制御を確認する

電子部品の検査工程では、大量の部品を短時間で処理するため、高速な自動検査が求められることがあります。カメラの露光時間を短くすると画像が暗くなりやすいため、十分な光量を確保できるLED光源装置が必要です。

また、カメラやPLCと連携して発光タイミングを制御できるか、必要な瞬間だけ安定して発光できるかも確認したいポイントです。高速ラインで電子部品を検査する場合は、高輝度であることに加え、撮像タイミングに合わせた発光制御に対応できるLED光源装置を選びましょう。

小型部品に合わせて照射範囲と設置性を確認する

電子部品は小型で、検査装置内のスペースも限られることが多くあります。そのため、LED光源装置を選ぶ際は、必要な照射角度を確保しながら、カメラ・レンズ・搬送機構と干渉せずに設置できるかを確認する必要があります。

また、検査対象が小さい場合でも、照射ムラがあると微細欠陥の判定が不安定になります。電子部品検査では、ワークサイズに合った照射範囲、均一性、装置への組み込みやすさを含めて選定することが大切です。

電子部品検査に適したLED光源装置は、検出したい欠陥の種類、部品の材質、金属端子や光沢面の有無、印字・刻印の状態、検査速度、装置内の設置スペースによって変わります。カタログ上の明るさだけで判断するのではなく、実際の電子部品サンプルを用いて、照明方式・波長・照射角度・光量・カメラとの組み合わせを確認しながら選定しましょう。

CHECK
電子部品検査に
適したLED光源装置を選ぶには?

「小さな傷や異物が画像上で見えにくい」「金属端子やはんだ部の反射で白飛びしてしまう」「印字や貼り合わせ位置の判定が安定しない」など、電子部品検査では、部品の材質や検査項目によってLED光源装置に求められる性能が大きく変わります。

だからこそ、検査目的に合ったLED光源装置を選ぶことが、微細欠陥の見逃しや誤判定を防ぐ第一歩です。自社の電子部品検査や画像処理システムに合うLED光源装置選びにお役立てください。

THREE SELECTIONS
【検査目的別】
外観検査に適した
LED光源装置3選

検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。

μm精度の画像処理向け
寸法や位置ズレ
正確に測ることができる
ユーテクノロジー
製品画像
画像引用元:ユーテクノロジー公式HP(https://www.u-technology.jp/product/2531)
導入しやすい業界例
  • 半導体業界
  • 電子部品業界など
要件を満たせる検査例
  • 寸法検査
  • 位置ずれ検出
  • 貼り合わせ精度検査
  • パターンずれ検出
  • 形状検査
ユーテクノロジーが
選ばれる理由
  • 特許取得※1の非結像光学系により、1,000nm以上のSWIR領域でも鮮明に映し出す
  • 自社製造の光源とファイバーにより、適切な組み合わせで光ロスやムラを抑制して微細欠陥を可視化
  • 半導体のPINアサイン確認や基板実装後の部品検査など、高精度検査の導入実績あり※2
0.1〜1mmの自動検査向け
欠けや異物
安定的に検出できる
アイテックシステム
製品画像
画像引用元:アイテックシステム公式HP(https://aitecsystem.co.jp/series/llbk/)
導入しやすい業界例
  • 自動車部品業界
  • 食品・飲料業界など
要件を満たせる検査例
  • 異物混入検査
  • 欠け検出
  • バリ検出
  • 色ムラ検査
アイテックシステムが
選ばれる理由
  • 230,000lxの高照度でコントラストが明瞭になり、微細な不良を見逃しにくい
  • LANや端子台で照明制御が可能で、カメラやPLCとも連携しやすく自動検査の構築がスムーズ
  • 冷却と定電流制御で照度が安定し、常時点灯や連続稼働が前提でも判定ブレが起きにくい
手作業の目視検査向け
印字や組付け不良
はっきり確認できる
中央精機
製品画像
画像引用元:中央精機公式HP(https://www.chuo.co.jp/contents/hp0251/list.php?CNo=251&ProCon=4955)
導入しやすい業界例
  • 化粧品・日用品業界
  • 電気機械器具業界など
要件を満たせる検査例
  • ラベル位置検査
  • 印字抜け検査
  • 印字不良検査
  • ネジの有無検査
  • 組付けミス
  • 方向ずれ検査
中央精機が
選ばれる理由
  • 約45,000lxの自然な明るさで、ラベル印字の擦れやかすれをはっきり確認
  • ダイヤルで直感的に調光でき、作業者や環境に合わせた見え方調整ができる
  • 筐体幅80mm未満・高さ144mmのコンパクト設計で、狭い作業空間にも設置しやすい
※1 特許7060932 参照元:J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)公式HP(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7060932/15/ja
※2 参照元:ユーテクノロジー公式HP(https://www.u-technology.jp/case
検査のイメージ

検出したい不良・欠陥から逆引き!

目的別で比較!
LED光源装置おすすめ3選

今すぐ徹底比較を見る >