半導体をはじめ、電子部品や医薬品、自動車などの様々な業界では、製品の特性や求められる品質基準が異なります。本記事では、部品別にLED光源装置による外観検査のポイントをまとめました。
外観検査を行う際は、「高解像度カメラと照明の組み合わせ」が重要です。近年では、数ミクロン単位の欠陥検出が求められる場面が増えており、数百万画素クラスのカメラや、高精細なラインスキャンカメラの導入が進んでいます。
中でも、可視光では見えにくい異物や内部の構造不良には、近赤外LED照明を用いて透過させて確認する方法が有効です。
また、微細な割れや凹凸を検出するには、高出力・ローアングル照明が効果的です。低角度から照射することで欠陥が影となって強調され、通常では目立たない異常を目立たせられます。光量を十分に確保すれば、高速搬送されるワークの検査にも対応可能です。
ワークの微細な印字や表面の傷、汚れを明確に捉えられるよう「くっきり見せる照度と角度の調整」が特に重視されます。
印字検査では、バー照明やリング照明を使い、印字とその周囲を均一に照らすことで、印字と背景との間に適切なコントラストを生み出すことが可能です。印字の鮮明度や欠けがスムーズに確認できます。
また、鏡面部品は反射(グレア)の写り込みで、印字や刻印が見えにくくなりがちです。照明側とレンズ側に直交配置した偏光板(交差偏光)を用いると、正反射を抑えて外乱光の影響も軽減でき、背景と印字のコントラストを高く安定して撮像できます。
医薬品や食品は、消費者の健康と安全に直結するため、厳格な品質管理と外観検査が求められます。製品の透明度や表面の光沢、印刷物の有無などに対応できる照明が必要です。
白色均一照明は、自然光に近いスペクトルで色の再現性が高く、錠剤や食品の色ムラ、印刷ミスなどを検出できます。また、ハレーションや影を抑えて均一に照らせるため、微細な異物や欠陥も見逃しにくいという利点も。
一方、近赤外LED照明は、プラスチック包装や紙を透過しやすく、内部の異物や封入状態、水分の有無を非破壊で確認できるのが強みです。
自動車部品は、機能性や安全性だけでなく、外観も製品価値を大きく左右するため、厳格な外観検査が求められます。特に表面の状態が重要であり、光沢のある金属部品や塗装面の検査では、ハレーションを効果的に制御する照明が必要です。
塗装面に生じたわずかな打痕や凹凸、あるいは異物を検出する際には、ローアングル照明が役立ちます。浅い角度から光を照射することで、表面の傷や凹凸が光を散乱させ、周囲よりも明るく写し出す仕組みです。目視よりも欠陥を明確に確認できます。
一般的なカメラでは、透明な液体や微量な水濡れが背景と同化してしまうため、水分を検知することが極めて困難です。課題を解決するには、特定の波長(SWIRなど)を利用していかに水分を「可視化」するかが大切になります。次の記事では、水分検知を実現する近赤外線LED光源装置の仕組みを解説しているほか、近赤外線LED光源装置を活用した水分検知・液漏れ検査事例も掲載していますので、参考にしてみてください。
「透明で、薄く、光沢がある」というフィルム特有の性質は、ハレーションやコントラスト不足を引き起こし、検査精度を低下させる大きな壁となります。次の記事では、樹脂フィルムの外観検査が難しいと言われる理由を詳しく解説。素材や欠陥の種類に合わせてどのようなライティングを組むべきか、照明設計のノウハウも紹介します。
太陽電池のクラックは外観から見えにくい一方で、進展すると出力低下やホットスポットなどの不具合につながる可能性があります。こうした内部欠陥を可視化する代表的な手法が、順方向通電で近赤外域の発光を撮像するEL検査と、励起光を照射して再結合発光を撮像するPL検査です。
インゴット内部の不純物(インクルージョン)やクラック、ボイドは、次工程の加工不良や歩留まり低下、無駄な加工コストの発生につながるため、スライス前の段階での高精度な内部検査が不可欠です。一方で従来のランプ光源では、厚みのあるインゴット中心部まで光が透過しにくく、熱の影響や光量の安定性にも課題がありました。そこで、短波赤外(SWIR)領域(目安として1,100nm以上)に対応した高出力LED光源と赤外線カメラによる透過観察を用いることで、内部欠陥をコントラスト良く捉えやすくなり、発熱抑制・長寿命による安定運用も期待できます。
従来の点測定や手動検査では、接着剤の塗りムラや充填不足を見落とすリスクがあります。そこで赤外線技術を用いれば、透明な接着剤の厚みや乾燥状態を面的に可視化できます。さらに、均一照射ができ発熱の少ないLED光源装置を組み合わせることで、対象物への熱影響を抑えつつ検査精度の安定化が図れます。
MLCC等の微小クラックは発見が難しく、絶縁破壊を招く重大な欠陥です。一方で接触型の電気的検査は、プローブ圧で新たなクラックを誘発するリスクを伴います。物理的ダメージを防ぎつつ検査精度を高めるには、高輝度で均一照射が可能なLED光源装置を活用し、非接触で行える外観検査(光学検査)を高度化することが有効です。
従来の目視や可視光カメラでは、フィルムの光沢によるハレーションや印刷柄の影響で、内部の噛み込みを見落とすリスクがあります。そこで近赤外線(NIR・SWIR)を用いれば、表面の柄を透過して内部の異物や水分をシルエットとして可視化できます。さらに、対象に合わせた照射角度のLED光源を組み合わせることで、検査精度の安定化が図れます。
複数の層が重なる多層フィルムでは、内部での光の散乱や表面の乱反射により、同系色の異物や透明な欠陥を見落とすリスクがあります。そこで透過照明やローアングル照明を使い分けることで、不透明な異物や表面のわずかな凹凸を可視化できます。さらに、均一照射が可能な高輝度LED光源を組み合わせることで、高速ラインでも検査精度の安定化が図れます。
印刷物の外観検査では、対象物の透過率やインクの色特性により、欠陥のコントラストが低下したり白飛びが発生したりするリスクがあります。そこでワークの形状や素材に合わせて、ライン・面照明といった形状、特定のカラー光(赤・青・緑など)・赤外線などの波長を使い分けることで、検出したい欠陥(または異常)を可視化できます。
さらに、高速カメラに同期して的確に調光できる応答性の高いLED光源を組み合わせることで、環境光の影響を抑えた安定した画像取得が可能になります。
二次電池の外観検査は、電極シートの高速搬送や金属箔の強い正反射など、工程ごとに特有の難しさを持っています。ワークの材質や欠陥の種類に合わせてLEDライン照明や同軸照明、3D光源などを柔軟に使い分けることが不可欠です。カタログスペックの比較だけでなく、実際のワークを用いた光学シミュレーションやデモ機テストを行うことが、検査精度の向上と歩留まり改善へのアプローチとなります。
検査を行いたい対象物の後ろからLED光を照射し、透けて見える光や遮られた影などをカメラで捉え、欠陥について調べる検査手法を透過検査と呼びます。例えばプラスチックやガラス、フィルムなど光を通す透明・半透明な対象物の場合、内部に光を通さない異物や異常がある場合には、その部分のみ黒い影として映し出されます。このような形で、対象物に欠陥がないかどうかを確認することができます。
また、透過検査においてLED光源が用いられているのは、均一で強い光を出せる・色(波長)を選べるといった理由が挙げられます。
LED光源を用いた寸法検査では、生産された製品や部品が設計図面や規格通りのサイズを満たしているかを評価します。検査を行う場合には、検査対象物の輪郭やエッジの抽出のため、素材や目的に合ったLED照明を選択することが非常に重要となります。例えばバックライトを使用して外形をくっきりと抽出する、平行光を用いて対象物のエッジがにじんでしまうのを防ぐ、同軸照明やリング照明を用いて表面上の基準を捉えるといった形で寸法検査を行っていくことが求められます。
位置ずれ検出用LED光源を活用することにより、プレス部品や樹脂成形品をはじめとするさまざまな部品の外形や端面の位置ずれ、ラベルやシール、製品への印字ずれなど、多彩な場面での位置ずれを検出できます。
位置ずれ検出を行う際には、バックライトや同軸照明、リング照明などが用いられますが、検出を行う際にはワーク表面の反射や色、材質に合わせて選ぶことがポイントです。また、判定基準となるマークや輪郭などを明確にする、搬送中でもブレが抑えられる光量を確保するといった点などを考慮しながらLED光源を選ぶことが大切です。
貼り合わせ検査用LED光源の活用によって、フィルム状の部材やシートを貼り合わせる際のずれや、ガラスや基板など硬い部材同士の貼り合わせを行う際のずれの検出などを行えます。そのほかにも、接着面に入り込んだ気泡や異物、フィルムなどが寄ることでできるしわ、密着不良による浮きなども検出可能です。
このような欠陥を検出したい場合には、「どのような欠陥を検出したいのか」という目的をはっきりさせた上で、その目的に合った照射方法を選択することが必要になります。もしどの方法・照明を選んだら良いかわからない場合には専門家にアドバイスを求めるのもひとつの選択肢です。
LED光源装置を用いたパターンずれの検出とは、印刷物やプリント基盤などの製造工程において、印字や回路などの「パターン」が設計上の基準位置からずれていないか検査・計測を行うための技術です。この時に使われるLED光源の種類としては、同軸照明や透過照明、拡散照明などさまざまなものがありますが、たとえば金属面や光沢面では反射への対策を行うといったように、対象物に応じた対応が必要になります。
LED光源を用いることによって、対象物の寸法や輪郭、表面状態などを捉えることができます。検査の目的に応じて、透過照明(バックライト)、同軸落射照明、ローアングル照明などさまざまな照明方式が使い分けられていますので、LED光源を用いて形状検査を行おうとする場合には、まず検査の目的を明確にすることが必要となります。また、自社の目的に合ったLED光源の選定が難しいといった場合には、専門の会社に相談しながら選定を行っていくことがおすすめです。
医薬品を扱うPTP包装の検査ラインでは、錠剤の欠落や異物混入の防止が求められます。多様な形状のLED光源を活用することで、アルミ箔やプラスチックフィルムの白飛びを防ぎつつ、ポケット内部の異物や印字の欠けを正確に可視化することが可能です。
食品の安全を担保するレトルトパウチの検査では、光沢のある包装フィルムの反射対策が鍵となります。透過照明やドーム照明などのLED光源を適切に組み合わせることで、肉眼では見逃しやすいミクロン単位のピンホールや、シール部のわずかな不良を高コントラストで検出することが可能です。
金属製であるベアリングの検査において最大の壁となるのが、強い正反射やハレーションです。LED光源の照射角度や方式を細かく調整すれば、金属特有のギラつきを抑えながら、回転性能に直結する微細な傷や打痕を捉えることができます。寸法測定にはバックライト、表面検査にはローアングル照明といったように、欠陥の性質に応じた使い分けが不可欠です。
PETボトルの検査では、透明な容器特有の光の屈折や曲面による反射を考慮する必要があります。適切なLED光源を導入することで、背景と同化しやすい液面の位置や、印字の輪郭を鮮明に浮き上がらせることが可能です。
製品の材質や求められる品質基準は、部品や業界によって大きく異なります。半導体では近赤外やローアングル照明で微細欠陥を検出し、電子部品では印字や刻印を鮮明に。医薬・食品では色や透過状態を確認し、自動車では塗装面の打痕やムラを明確に捉えるなど、検査内容に応じて求められる照明特性も変わります。
このサイトでは外観検査の目的別におすすめ装置をご紹介。各装置の特徴や導入事例をまとめていますので、検査工程に適した光源を見つけるための参考にしてください。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。