アルミ素材は光沢が強く、反射の影響を受けやすいため、適切な照明選定が検査精度を左右します。本記事では、アルミ素材の検査における課題や、LED光源を用いた外観検査を行うメリット、実際の活用事例などを解説します。
アルミ素材は、表面の光沢や加工による模様があるのが特徴です。そのため、蛍光灯や白熱電球のような照明を使うと、光が不規則に反射してしまい、ハレーションが生じやすくなります。また、製品表面の小さな傷や凹み、異物といった欠陥が隠れる可能性も。
加えて、光の当たり方一つで欠陥の見え方が大きく変わるので、検査結果にばらつきが生じ、見落としが発生しやすくなります。
外観検査を確実に行うには、光の性質をうまく制御し、見たい特徴のみを映し出せる照明設計と、それを捉える撮像環境が重要です。
LEDは、発光する光の色(波長)を多様に選べる半導体素子です。検査したい欠陥やワークに合わせて光の色を調整すると、欠陥と正常な部分との間に大きな明るさの差(コントラスト)が出ます。
また、色の変色や異物がある場合、その色と反対の色(補色)の光を当てることで、肉眼では捉えにくい微細な違いを、カメラの画像上で鮮明に捉えることが可能です。
複雑な模様や凹凸のあるワークに対しては、複数の方向から光を当てることで、模様の影響を取り除き、傷や凹凸の形状を強調して捉えられます。
光沢のあるアルミ素材の検査では、光が鏡のように強く反射し、画面が白く飛んでしまう「ハレーション」が課題です。LED照明は、光の照射方法を柔軟に設定できる特徴があります。
様々な方向から光を拡散させ、柔らかい光を当てる「拡散照明」や、ごく低い角度から光を照射する「ローアングル照明」を用いることで、表面のギラつきや反射を抑えつつ、微細な傷や凹みといった欠陥のみを映し出すことが可能です。
また、ドーム型の照明のように、ドームの内側で光を反射させ、対象物全体に柔らかい光を多方向から当てると、光沢面でも影ができにくく、見たい部分を安定して捉えられます。
アルミ素材に施されたヘアライン加工は、光を複雑に反射させるため、表面にできた傷を捉えるのは難しい課題でした。
課題を解消すべく、CCSは「LDL2-74X30RD」を提案。この照明は光の照射方向や角度を細かく調整できる特性があります。
ヘアライン加工の反射を効果的に抑えながら、アルミ板の表面にある傷だけを明確に画像として捉えられるため、検査の効率が向上しました。
産業用画像処理検査向けLED照明を中心に開発・製造するメーカーです。同社が提供する円柱ワークの外観検査用照明「UTNシリーズ」は、円柱の表面で発生しやすい光のちらつき(ハレーション)を避けるように設計されており、欠陥を明瞭なコントラストで捉えられます。
また、「マルチアングル照明UMAシリーズ」は、ワークに近い位置で微細な凹凸やエッジを際立たせることが可能。離れた位置では均一な拡散光で表面全体を検査するのに役立ちます。
現場の目視検査・品質保証を支える照明機器を扱うメーカーで、「Power-Eye mini シリーズ」を展開しています。手持ちで使えるハンディライト型の目視検査用照明です。
パターンを投影してワークの歪みを確認できるものや、広範囲を均一に照らせるタイプ、直進性の高い光で微細な傷やホコリを見るなど、用途に応じた種類があります。
アルミ加工物のような金属表面の検査では、光の色フィルターを組み合わせることにより、高いコントラストで傷や異物の可視化が可能。軽量で持ち運びやすく、モバイルバッテリーで電源を供給できるため、様々な作業現場での活用が期待できます。
ハヤシレピックは、製造現場の目視検査に適したLED照明を手がけるメーカーで、「目視検査用照明 スポットエース」を提供しています。
クランプ式やスタンド式の設置方法が選べ、φ30.5の偏光・拡散・色補正など各種フィルターに対応。アルミなどの光沢面の検査では、フィルター併用と照明角度・距離の最適化により、傷やムラの視認性向上が期待できます。
撮像用LED照明を展開しているメーカーです。ローアングル照明は浅い角度の照明で表面の傷・凸凹をはっきり映せるため、アルミなどの光沢材の欠陥可視化に有効です。
リング各種(SRF/SRD)や、高反射率サンプルに適したオートフォーカスも用意し、検査環境の最適化を支援しています。
マシンビジョン(画像処理)用の産業用LED照明を専門とするメーカーで、「LN2-NE/FAシリーズ」を提供しています。
自然空冷で最大500万lxの高照度を実現した集光型ハイパワーライン照明です。照射距離に応じた2タイプを用意し、金属シートの汚れやガラスの傷、電子部品の異物検査などに対応。
発光面は75mm単位で最大3,000mmまで指定可能で、大型ワークから精密部品まで幅広くカバーします。
ここまで、対象物ごとの外観検査における課題や、LED光源を活用するメリットを解説してきました。
ただし、実際にLED光源装置を選ぶ際は、対象物の材質だけでなく、検出したい欠陥の種類、必要な精度、検査工程の自動化レベルによって適したメーカーが異なります。
そのため、次は「どの対象物を検査するか」だけでなく、「どのような不良を、どの精度で見つけたいか」からLED光源装置を比較することが重要です。
以下では、検査目的別におすすめのLED光源装置メーカーを紹介しています。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。