電子部品の製造最終工程で行われる外観検査は、高品質な製品をお客様に届けるうえで欠かせない作業です。高度なLED光源を用いた外観検査を行うことで、人間の目では見逃しがちな微細な欠陥も明確に可視化でき、検査の精度向上と効率化を実現します。
本記事では、電子部品の外観検査における課題をはじめ、LED光源を用いた外観検査の利点、検査事例、対応装置を扱うメーカーについて解説します。
電子部品の小型化・高密度化により、半導体や実装基板の外観検査は格段に難しくなっています。表面の傷や打痕、異物付着、はんだ不良などは微細で、肉眼での判別が難しいのが現状。見落としは製品不良やクレームにつながり、企業の信頼低下リスクを伴います。
従来の目視検査は、検査員の熟練度や体調、作業環境に左右され、安定した品質維持が難しい点が課題です。そのため「誰が検査しても同じ精度が出せる仕組み」が求められています。
LED光源装置は、欠陥を鮮明に映し出し、反射や写り込みを抑制することで、検査精度と品質安定化を支える有力な手段です。
LED照明は、検査対象物の表面にある微細な特徴や欠陥を捉え、肉眼では見えにくいコントラストの変化を可視化できます。
また、発光波長(色)や光量を精密に制御できるほか、照明装置側でレンズや拡散板、偏光板を組み合わせることで、光の進行方向や偏光方向も調整可能です。特に、短波長の青色光は表面の傷で散乱しやすいため、微細な傷を捉えられます。
電子部品の表面にあるごくわずかな凹凸や、素材内部の微細な異物は、通常の照明では周囲とのコントラストが低く、判別が困難です。そのため、LED光源を使った外観検査では人の目では見逃しがちな小さな欠陥も安定して検出できます。
金属パッケージや光沢のある製品は、照明の光が反射(ハレーション)しやすいため、検査の妨げとなります。LED照明は、問題を解決するために様々な照射方法や光学設計を可能にします。
例えば、ドーム型照明は、光をドーム内部で拡散させることで、ワーク全体を均一に照らし、影やハレーションを抑えることが可能です。また、偏光板を組み合わせることで、ワーク面からの不要な反射光を取り除けます。
これらの照明技術は、特に金属ワークの表面検査や、光沢紙上の文字検査など、高反射率のワークに対する外観検査でその威力を発揮します。
基板へのフィルム貼り合わせ工程では、アライメントマークを基準に位置決めを行います。しかし、可視光照明ではマークが薄くコントラストが低いため正確な認識が困難でした。
加えて、可視光ではフィルムの透過率が低く、貼り合わせポイントの視認性も悪化し、アライメント精度の低下を招いていました。
そこで、ユーテクノロジーのハイパワー近赤外LED光源に切り替えた結果、フィルム上のアライメントマークを鮮明に強調できるようになりました。
近赤外光によりフィルムの透過率が向上し、貼り合わせポイントの視認性も改善。結果として、アライメント精度の向上に成功し、安定した位置合わせを実現しました。
電子部品の外観検査では、電極部を均一に撮像することが大きな課題の一つです。従来のバー型LED照明を用いた場合、照射方向が限られるため、電極部分に明暗差が生じやすく、欠陥検出にばらつきが出ることがありました。
本事例では、フレキシブル基板を採用して、LEDを高密度に配置したリング照明を採用。対象物に対して任意の角度から光を照射できる仕様のため、電極部全体を均一に照射・撮像することに成功しています。
産業向けの検査用LED光源・光学機器を手がけるメーカーで、電子部品の外観検査に適した「超高輝度LED点光源装置」を提供しています。ミクロな欠陥をマクロに拡大し、検査精度を向上するための装置です。発光径が異なる3つのモデルを展開しています。
透明フィルムやガラスの欠陥をシャープに投影できるため、微細な電子部品の表面検査に特に有効です。カメラ三脚での固定も可能で、発光径は3種類(Φ1、Φ2、Φ3)から選択できます。
光センサーや光源・計測機器を展開するフォトニクスメーカーで、「マイクロLED PL検査装置」を提供しているメーカーです。ウェハ上に形成されたマイクロLEDチップの良否を、光励起発光(PL)を用いて短時間に検査できます。
また、お客様との共創を目的とした実験室「SEMICONDUCTOR APPLICATION LAB.」を設けており、エンジニアによる共同研究やサンプル実験、適した検査条件の提案など、導入前から手厚いサポートを提供してくれます。
目視検査用LED照明を中心に産業用照明を手がけるメーカーです。同社が提供する目視検査用LED照明の「スポットエース(SPA2-10CD/10CW/10SD/10SW)」は、4チップLEDを搭載し、傷、汚れ、異物などの目視検査に適しています。
検査対象や環境に応じて自在に調整できる設計構造で、レンズやガラス、シート、フィルムなど、幅広い製品の目視検査が可能。無償デモ機の貸し出しも行っており、導入前に実際の見え方を確認できる機会を提供しています。
レンズや産業用照明などの光学機器を幅広く展開するメーカーです。同社が提供する「LED内向きダイレクトリング照明」は、360°水平方向からの照射により、光沢のあるワークからの写り込みを防ぎ、傷などの検査を行える照明です。
凹凸(エンボスなど)をはじめ、ウェハ、ガラス基板の傷や汚れ、レーザー刻印の読み取り、エッジ抽出の検査など、光沢面や微細な凹凸のあるワークの検査に高い効果を発揮します。
LEDの色は、赤、緑、青、白から選択でき、検査対象物の色や特性に合わせた光を選ぶことが可能です。
マシンビジョン用LED照明に特化したメーカーです。同社の赤外照明「LFL-100IR2-940」は、ピーク発光波長940nmの近赤外線LEDを採用。色の影響を受けにくい撮像や、樹脂・フィルムなどの一部素材での透過撮像に活用できます。必要に応じて偏光や拡散照明を併用することでグレア低減を強化できます。
ここまで、対象物ごとの外観検査における課題や、LED光源を活用するメリットを解説してきました。
ただし、実際にLED光源装置を選ぶ際は、対象物の材質だけでなく、検出したい欠陥の種類、必要な精度、検査工程の自動化レベルによって適したメーカーが異なります。
そのため、次は「どの対象物を検査するか」だけでなく、「どのような不良を、どの精度で見つけたいか」からLED光源装置を比較することが重要です。
以下では、検査目的別におすすめのLED光源装置メーカーを紹介しています。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。