印刷物の外観検査において、欠陥を正確に捉えるためには適切なLED光源装置の選定が不可欠です。本記事では、外観検査でのLED光源装置の具体的な役割や、製品を選ぶためのチェックポイントを解説します。
透明なワークの検査においては、背後から光を当てるバックライト照明(透過検査)を用いて、異物を黒く、周囲を白く撮像して輪郭を捉えるのが基本の役割となります。また、パッケージなどの文字や印刷柄があるワークの検査では、可視光に比べて散乱率が小さく透過率が高い性質を持つ赤外照明を使用することで、表面のインクや文字・柄を透過させ、外観検査を容易にしたり内部の異物を検知したりする役割を果たします。
外観検査用の照明において重要なのは、単なる明るさではなく、欠陥部分と正常部分の「コントラスト」の差を最大化することです。物体の色は、どの波長の光を反射し、どの波長を吸収するかによって決まります。
例えば、青いインクは赤色光を反射しにくいため、赤色の単色LED照明を当てることで正常なインク部分を黒く強調し、かすれ(掠れ)や色抜けの部分を白く浮かび上がらせて撮像することができます。このように、照明の色(波長)を工夫することで、見たいインクの異常をくっきりと浮かび上がらせることも、波長選びの重要な役割です。
LED光源装置は瞬時点灯やストロボ発光(パルス発光)に対応しており、発熱も少ない傾向にあるため、連続稼働する現場でも安定した撮像を可能にします。工場の窓などからの外光が撮像条件を変動させる原因になる場合、ストロボ照明を用いて環境光の影響を相対的に小さく抑えることができます。
また、検査項目に応じて適切な照明条件を切り替えて複数回撮像する際にも、LED照明が持つ高いON/OFFの応答性が安定した画像取得を支える役割を担っています。
LED光源装置の形状は、検査対象物の形状や大きさ、画像処理検査装置の設置場所に合わせて選定する必要があります。フィルムや印刷物などのシート状のワークにおいて、表面状態を均一に観察したい場合や、ラインスキャンカメラと組み合わせる場合は、線状に光を照射して安定した画像取得を可能にするライン照明が適しています。
一方、広範囲に影やムラを抑えた照明環境を提供し、製品全体を均一に照らしたい場合には、光を広範囲に拡散する特殊な光学設計がなされた面照明が選択肢となります。
照明の色(波長)は、検査対象物の色や、検出したい箇所の色を白くしたり黒くしたりして、見たい部分をより強調するために選定します。特に光が透過しにくい材質や、パッケージ・活字などの文字や柄を透過させて検査したい場合には、透過率が高い赤外照明(850nmなど)の波長が有効です。
また、ワークやインクの色特性に合わせて、例えば青いインクの掠れを際立たせるために赤色LED照明を組み合わせるなど、コントラストを高く安定させるための色の選定が不可欠です。
外観検査の照明設計において、明るすぎる照明は白飛びを起こして欠陥が見えなくなる原因となるため、適切なコントラストを得るための制御が欠かせません。
LEDは瞬時点灯やストロボ発光(パルス発光)への対応力に優れており、この高いON/OFFの応答性を活用することで、外光の影響を抑えたり、複数の照明条件を切り替えて撮像したりすることが可能になります。高速なラインやカメラの露光条件に合わせて、的確に発光を同期・調光制御できるスペックを持つ装置を選ぶことがポイントです。
単なる明るさではなく、正常部と欠陥部のコントラスト差を最大化することを基準に選定します。具体的には、ワークの幅や搬送方式に適した形状(ライン照明や面照明)、インク色や素材に合わせて欠陥を強調・透過させる波長(単色カラーや赤外線)、高速カメラに同期して白飛びや外光を防ぐ「調光機能と応答性」の3つの要素を、対象物に合わせて適切に組み合わせることが重要です。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。