EV等の普及に伴い需要が急増する二次電池の製造では、品質管理を左右する外観検査が極めて重要です。しかし、金属箔やフィルムといった光沢・透過素材が多く、適切なライティングがなければ欠陥の見落としや誤検出を招きます。本記事では、高精度な画像処理検査の実現に不可欠なLED光源装置の基礎知識を解説します。
二次電池の生産性を高めるため、電極シートなどの製造ラインは非常に速いスピードで流れています。この高速ラインで微細な欠陥を捉えるには、シャッタースピードを極限まで速めたラインセンサカメラなどの使用が必須です。カメラの露光時間が短くなるため、撮影環境には極めて高い輝度(明るさ)が求められます。
さらに、照射される光にわずかでもムラ(不均一性)があると、画像処理時に誤検出の原因となります。高精度な外観検査を維持するためには、検査領域全体を一定の明るさで照らし続ける、均一性に優れた高輝度LEDライン照明の選定が不可欠です。
二次電池の電極には銅箔やアルミ箔が、外装や絶縁には各種フィルムが多用されています。これらの素材は光を強く反射(正反射)しやすいため、一般的な照明をそのまま当てると白飛びを起こし、傷やピンホール、異物といった欠陥が光の中に隠れてしまいます。
LED光源装置は、ディフューザーを用いて光を柔らかく均一に拡散させたり、偏光フィルターを組み合わせたりすることで、不要な正反射を効率的に抑制できます。金属箔特有の強い光沢を抑え、欠陥部分だけを黒い影やコントラストとして明確に浮かび上がらせる光学設計が、高精度な外観検査を支えています。
活物質を金属箔に塗工する工程や、それを規定の幅に切り分けるスリット工程では、シート状のワークが高速で搬送されます。ここでは、塗工ムラやシワ、ピンホール、エッジのバリなどを検出します。
この工程に適しているのが、超高輝度のLEDライン照明や、光源とセンサが一体となったCIS(コンタクトイメージセンサ)用光源です。シートの上方から正反射光を当てる正反射手法や、シートの裏側から光を透過させてピンホールを検出する透過手法を組み合わせることで、極めて微細な欠陥を高速ライン上でも的確に見つけ出すことが可能になります。
電極シートやセパレーターを積層・巻き回し、外装材で包むセル組み立て工程では、タブ(端子)の溶接状態や、外装フィルムのキズ・凹凸の検査が行われます。特にラミネートタイプの外装は、わずかな押しキズや歪みが液漏れなどの重大な不具合に直結します。
ハレーションを防ぎつつ、わずかな凹凸を陰影として捉えるために、カメラと同軸上に配置された同軸照明や、広い面を均一に照らすフラット照明(面照明)、さらには全方位から無影光を照射するドーム照明が有効です。これにより、金属端子の溶接痕(傷や焦げ)の輪郭や、ラミネート表面の微細なキズ・へこみを的確に画像化できます。
複数のセルを結合してモジュールやパックにする最終段階の工程では、端子同士の溶接不良やバスバーの浮き、位置ズレなどの立体的な外観検査が必要となります。従来の2D(平面)画像だけでは、高さ方向の微細な変化や歪みを判別することが困難です。
この課題に対しては、特定の縞模様を投影するパターンプロジェクション照明や、レーザーシート光を用いた3D撮像用の特殊光源が適しています。高さ情報を立体的なデータとして取得することで、溶接部の形状や端子のわずかな浮きを三次元的に精度高く測定・検査できます。
二次電池の外観検査は、電極シートの高速搬送や金属箔の強い正反射など、特有の難しさを持っています。検査の見落としや誤検出を防ぎ、高い歩留まりを維持するためには、高輝度・高均一な光の確保や、ハレーションを抑える光学的な工夫が不可欠です。
工程ごとに変化するワークの材質や欠陥の種類に合わせて、LEDライン照明、同軸照明、3D撮像用光源などを柔軟に使い分けることが、外観検査の精度向上へとつながります。適した照明手法を導き出すためには、仕様書上のスペック比較だけでなく、実際の検査対象物を用いた光学シミュレーションや、デモ機によるテスト実験を行うことが重要です。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。