LED光源によるパターンずれ検出

パターンずれ検出用LED光源で判定できる対象

印刷パターンの位置ずれ

ラベルやパッケージなどの表面に印刷が行われた文字や意匠パターンのずれを検出できます。例えば多色刷りにおける色ごとの版ずれ、決められた印字枠に対する位置のずれなどを画像処理によって確認できます。

この点から、高速で搬送が行われる印刷ライン上でも、インクのかすれ・にじみなどを伴った微細な位置ずれを発見することが可能になりますので、印刷品質の維持と不良品の流出防止に繋げられます。

回路・配線パターンのずれ

プリント配線基板やフレキシブル基板、半導体ウエハ上に形成された銅箔など、細かい配線パターンの位置ずれについて判定することもできます。また回路パターンが本来の基準となる位置からどの程度ずれているのかという点についても検査を行えます。この場合、回路上の金属部分は光を強く反射することから、同軸落射照明などが用いられています。

マスク・フィルムの重ね合わせずれ

液晶ディスプレイを製造する際などに使用されているフォトマスクや、複数の層を積層する機能性フィルムにおいて、層同士の重ね合わせのずれについての判定も行えます。この場合、透明や半透明の材質であることが多いため、対象物の背後から照射を行う透過照明を用いて、それぞれの層に配置されているアライメントマークやパターンの重なり具合について抽出を行います。それぞれの層が規定の公差内にてずれなく積層されているかを検査することによって、製品の品質保証につなげられます。

微細な線幅・間隔・位置関係のずれ

半導体や高密度電子部品といったような、微細なパターンが連続配置されている製品において、線幅と間隔の均一性や、基準点からの位置関係のずれについても判定を行えます。高解像度カメラと平行光を組み合わせることによって、エッジの光の回り込みを防ぎ、微細な寸法のずれや位置の変動を計測できます。

パターンずれ検出に使われるLED光源の種類

同軸照明で平面上のパターンを均一に撮像する

同軸照明とは、ハーフミラーを内蔵し、対象物に対してカメラのレンズと同じ光軸上から垂直に光を照射する方法です。例えば金属の回路パターンなど光沢のある平らな面を均一に明るく捉え、散乱しやすい下地や背景部との間に、強いコントラストを生み出します。この方法を使用することによって、影の影響を受けずにパターンの輪郭を鮮明に抽出することが可能となります。基板上にあるアライメントマークや、微細な配線の位置ずれなどを読み取るための画像処理において多く用いられている方法です。

透過照明でフィルムやマスクのパターンを強調する

透過照明は、検査対象物の背後にLEDを配置し、光を対象物に投下させることでシルエットを浮かび上がらせる方法です。透明なフィルムやガラス基板の上に形成されている、不透明なマークなどを黒い影として抽出可能です。この方法では、表面の不要な反射や細かいテクスチャなどの情報が画像に写り込む、ということがなくなります。「パターンの形状と座標」のみについて画像処理を行いたい、という希望を持っているケースに適している方法であるといえます。

波長選定でパターンと背景の差を出す

LEDが持っている「色(波長)」の特性を活かしたアプローチです。光には、「対象物と同じ色を当てると明るく見え、補色を当てると吸収されてしまい黒く見える、という特徴があります。例として、緑色レジスト上にある赤銅色の配線パターンについて検査を行いたい場合には、青色のLEDを照射することによってパターン部分は光を吸収して暗く沈むために背景との明暗差を際立たせられます。このように、波長を用いることで画像処理における位置ずれ検出の精度を高められます

拡散照明で反射やテカリを抑える

LEDの光源の前に拡散板を配置する、ドーム上の反射板内で光を反射させ、さまざまな方向から光を均一に照射する方法です。例えば光沢の強い金属パターンなどを検査すする場合には、直接強い光を当てると局所的な白飛びが発生してしまうことから、パターンの輪郭が欠損しているように見えます。このような場合に拡散照明を用いることで、パターン全体をムラなく撮像可能になり、白飛びによるエッジの誤検出を防げます

パターンずれ検出用LED光源を選ぶポイント

パターン色と背景色のコントラストを確認する

パターンのずれを計測する場合、パターンの輪郭がはっきりと分類されている、という点が重要です。そのためには、パターン部分と背景部分の間に、十分なコントラストを確保することが必要になります。この点から、LEDの波長の特性を活かし、目的とするパターンが背景から際立つ光源の選定を行います。

逆にコントラストが弱い場合にはエッジが曖昧になるため、位置ずれを見逃す原因となる可能性が考えられます。

微細パターンに必要な解像度と照明条件を合わせる

高密度な基板回路や微細な印刷のずれを検出したい場合には、高解像度カメラと高倍率レンズを使用することになります。しかし、光学的に倍率を上げた場合には、カメラのセンサーに届く光量が減少するために、取得する画像が暗くなってしまいます。この点から、微細パターンの検査を行う場合には、高輝度なLED光源が必要となります。このように、微細パターンの検出を行うのに必要となる解像度と照明条件を合わせる、という点も重要なポイントといえます。

金属面・光沢面では反射対策を行う

金属面や光沢面の検査を行う場合には、反射への対策が必要となります。これは、金属面などにLEDの光が直接あたると、白飛びが発生することで正しい境界線が見えなくなるためです。このような過剰な反射を防ぐには、LED光源の前面に偏光板を配置し、さらにカメラのレンズ側に偏光フィルタを取りつけるといった対策を行います。また、照射角度をずらすなどの対策によって光沢面特有のノイズを排除し、パターンの形状を安定して抽出するための工夫が求められます。

照明ムラがずれ判定に影響しないか確認する

LEDの照射光に明るい部分と暗い部分、いわゆる照明ムラがある場合、画像処理システム上では同じ寸法や形状のパターンだったとしても、エッジの位置がずれているといったように誤った認識をしてしまうリスクが高くなります。

特に注意したいのが、広い面積のパターンについて一括検査を行うケースや、サブミクロンの細かい位置合わせを行う場合などです。検査を行う領域全体にわたり、光量が極めて均一であることが大切です。

パターンずれ検出用LED光源を活用した事例

ウエハー透過によるパターン検出

ウエハー透過によるパターン検出
画像引用元:ユーテクノロジー公式HP
https://www.u-technology.jp/case/2809
課題:裏面のパターン確認に限界があった

半導体ウエハーの検査を行う場合に、裏面側にカメラなどの光学系を設置するのが難しいケースがあります。この場合には、透過光を利用することで表面側から裏面の状態を確認する、ということが必要となります。しかし、940nmまでの照明ではウエハーを透過させられないため、表面の状態のみしか確認ができないという課題がありました。

ウエハー透過によるパターン検出
画像引用元:株式会社ユーテクノロジー公式HP
https://www.u-technology.jp/case/2809
結果:表面側からも裏面の観察ができるようになった

1,000nm以上の波長を用いることでウエハーの透過が可能となり、表面側から裏面の観察ができるようになりました。また、ハイパワー光源の採用によってシャッター速度を高速化できるようになり、タクトタイムが求められる案件の場合でも、十分に対応できる性能を実現しています。

参照元:株式会社ユーテクノロジー公式HP(https://www.u-technology.jp/case/2809

パターンずれ検出を安定させるための検証ポイント

正常パターンとずれパターンの差が画像上で判別できるか確認する

あらかじめ、基準となる「正常な位置にある良品」と、許容範囲を超える形に意図的にずらした「不良サンプル」を用意して、同一のLEDの照明条件下にてテスト撮像を行います。この時、正常パターンとずれパターンの差が、明確な数値の差異として画像上で範囲できるかを確認しておきます。

位置補正・画像処理と照明条件をセットで確認する

実際の生産ライン上では、検査対象物が搬送時に傾く、セットする位置が変動するといったことが発生します。この点から、ずれを計測する前に位置補正を行うことが必要になります。基準マークを安定して捉える光の当て方に加え、微細パターンのずれを正確に見るための光の当て方が両立可能か、または照明の高速切り替えが必要かどうかなど、画像処理プロセスの手順と、照明条件が問題なく機能するかを確認します。

パターンずれ検出に適したLED光源装置の相談先

微細なパターンのずれを安定的に検出するには、専門知識が必要となります。もし、自社のみでLED光源装置の選択が難しい場合には、実績のある専門企業に相談することがおすすめといえます。この場合の相談先としては、画像処理用照明を専門としているメーカーなどが挙げられます。相談を行う場合には、実際の対象物と検出したいずれの許容値などを用意しておくとスムーズに進められることが期待できます。

パターンずれ検出ができるLED光源を提供するメーカー

「パターンずれ検出 LED光源」と検索して上位10位以内に表示された公式サイトのうち、パターンずれ検出に対応したLED光源を紹介します。(2026年6月16日調査時点)

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近赤外線LEDシリーズ

ユーテクノロジー 近赤外線LEDシリーズ
画像引用元:株式会社ユーテクノロジー公式サイト
https://www.u-technology.jp/product/543
本体構成公式HPに記載無し
輝度公式HPに記載無し
波長850~1650nm
LED寿命公式HPに記載無し
調光範囲公式HPに記載無し
調光方式公式HPに記載無し
冷却方式公式HPに記載無し

近赤外線を活用することによって、多彩な検査を可能にするLED照明です。対応できる検査の例としては、パッケージや内容物、異物の検査や、樹脂製品における内部の検査、完成品や内容物の検査などさまざま。水分の可視化も行えるため、野菜の鮮度の確認を行う、スポンジに浸した水分を黒く映し出すといった対応も可能です。その他、シリコンウエハの裏面にある回路の透過確認を行うこともできます。

ハイパワー近赤外LED光源シリーズ 

ユーテクノロジー ハイパワー近赤外LED光源シリーズ
画像引用元:株式会社ユーテクノロジー公式サイト
https://www.u-technology.jp/case/2809
本体構成公式HPに記載無し
輝度公式HPに記載無し
波長1060nm、1100nm、1150nm、1200nm、1300nm、1450nm、1550nm
LED寿命23000時間
調光範囲公式HPに記載無し
調光方式電流可変制御
冷却方式強制空冷(吸気口: 正面、排気口: 背面)

光ファイバを活用してLED出力を監視することによって、一定の発光を可能としています。1060/1100/1150/1200/1300/1450/1550nmの7波長を用意しており、各種アプリケーションにも対応可能。また、イーサネットやRS-232C、デジタル、アナログといったように、多彩な外部制御にも対応しています。

THREE SELECTIONS
【検査目的別】
外観検査に適した
LED光源装置3選

検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。

μm精度の画像処理向け
寸法や位置ズレ
正確に測ることができる
ユーテクノロジー
製品画像
画像引用元:ユーテクノロジー公式HP(https://www.u-technology.jp/product/2531)
導入しやすい業界例
  • 半導体業界
  • 電子部品業界など
要件を満たせる検査例
  • 寸法検査
  • 位置ずれ検出
  • 貼り合わせ精度検査
  • パターンずれ検出
  • 形状検査
ユーテクノロジーが
選ばれる理由
  • 特許取得※1の非結像光学系により、1,000nm以上のSWIR領域でも鮮明に映し出す
  • 自社製造の光源とファイバーにより、適切な組み合わせで光ロスやムラを抑制して微細欠陥を可視化
  • 半導体のPINアサイン確認や基板実装後の部品検査など、高精度検査の導入実績あり※2
0.1〜1mmの自動検査向け
欠けや異物
安定的に検出できる
アイテックシステム
製品画像
画像引用元:アイテックシステム公式HP(https://aitecsystem.co.jp/series/llbk/)
導入しやすい業界例
  • 自動車部品業界
  • 食品・飲料業界など
要件を満たせる検査例
  • 異物混入検査
  • 欠け検出
  • バリ検出
  • 色ムラ検査
アイテックシステムが
選ばれる理由
  • 230,000lxの高照度でコントラストが明瞭になり、微細な不良を見逃しにくい
  • LANや端子台で照明制御が可能で、カメラやPLCとも連携しやすく自動検査の構築がスムーズ
  • 冷却と定電流制御で照度が安定し、常時点灯や連続稼働が前提でも判定ブレが起きにくい
手作業の目視検査向け
印字や組付け不良
はっきり確認できる
中央精機
製品画像
画像引用元:中央精機公式HP(https://www.chuo.co.jp/contents/hp0251/list.php?CNo=251&ProCon=4955)
導入しやすい業界例
  • 化粧品・日用品業界
  • 電気機械器具業界など
要件を満たせる検査例
  • ラベル位置検査
  • 印字抜け検査
  • 印字不良検査
  • ネジの有無検査
  • 組付けミス
  • 方向ずれ検査
中央精機が
選ばれる理由
  • 約45,000lxの自然な明るさで、ラベル印字の擦れやかすれをはっきり確認
  • ダイヤルで直感的に調光でき、作業者や環境に合わせた見え方調整ができる
  • 筐体幅80mm未満・高さ144mmのコンパクト設計で、狭い作業空間にも設置しやすい
※1 特許7060932 参照元:J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)公式HP(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7060932/15/ja
※2 参照元:ユーテクノロジー公式HP(https://www.u-technology.jp/case
検査のイメージ

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