こちらの記事では、透過検査を行う際に用いられるLED光源について解説しています。検出可能な対象や光源の種類い、LED光源を選択する際のポイントをまとめていることに加え、透過検査ができるLED光源を提供するメーカーを紹介しました。
透明や半透明の対象物に対して、LED光を照射して透過させることによって、その対象物の内部や表面にある「異物」「気泡」、「穴」、「欠け」の検出を行えます。通常、LED光を照射すると対象物を通り抜けてカメラに届きますが、もし内部に異物や気泡、穴、欠けがある場合にはそこで光が遮られる・散乱するといった状態になります。その部分は画像上では周囲よりも暗い影として映し出されるため、不良品の識別や検出に活かせます。
ガラスやプラスチックなどの透明体や半透明体、各種フィルムの内部にある、目視が難しい異常の検出にも利用が可能です。対象物の内部にある小さなひび割れや微細な空洞、不均一な厚みなどがある場合には、照射された光がその境界線で屈折・散乱します。正常な部分と異常が生じている部分の間に明らかな差が生じることから、通常の検査では見落としがちな微細な異常を捉えられます。
対象物の後方からLED光を照射することによって、対象物の形状を鮮明な影として浮かび上がらせる「シルエット検査」を行えます。この方法によって対象物の正確な輪郭の測定ができるほか、半透明なシート材などが重なり合っている状態や、接合部の端面のずれの検出を行えます。例えば複数のシートが重なっている場合には、その部分のみ光の透過率が下がり、暗いシルエットとなるために検出を行えます。
対象物の背面から照射を行うことによって輪郭を強調し、外形や欠けなどを検出します。透明体や半透明体、薄物シートなどの場合には輪郭が黒く抜けることから境界部分の明暗のコントラストが強調されるため、形状の確認や異常の有無の判定を行いやすくなります。寸法測定や穴の有無の確認、バリや欠けなどの検査などを行う際に多く用いられています。
平行光(光源から対象物に対して真っ直ぐ進む光)を用いることにより、エッジ位置の検出や寸法測定を高精度に行えます。透過検査においては、光が広がり過ぎてしまうと輪郭がにじんでしまうケースもありますが、平行光を使用すると光がまっすぐにカメラに進み、エッジのぼやけをできる限り抑えることが可能です。この点から、透明樹脂の微細な段差や透明なガラスのわずかなキズなど、微細な差を安定して抽出できます。
LEDは波長により透過のしやすさが異なります。この性質を利用し、素材に応じて選択することによって確認したい異常を強調可能です。例えば、短い波長の青色光は物質の表面で散乱しやすいですし、波長が長い赤色や赤外光の場合は物質を透過しやすいといった特性を持っています。そのため、透過しにくい材質などの場合に赤外LEDを用いることは、内部の観察などにおいて有効であるといえます。
透過検査を行う際には、対象物がどれほど光を通すかが重要です。そのため、対象物の素材や厚み、透過性に合わせてLED光源を選択することがポイントとなってきますので、まずは対象物の材質特性の確認が大切です。
例えば厚みのある樹脂や着色されているフィルムなど、透過性が低い対象物の検査を行う場合には、光が減衰してカメラまで届かないケースもあるため、透過性の高い赤外線を選択するなどの対応が求められることがあります。
透過検査においては、照射ムラが発生すると画像に明るい部分と暗い部分ができてしまいます。このような場合には、対象物の欠陥ではなく、照明のムラを異常として誤検出してしまうことにつながります。そのため、検査を行いたい範囲全体を均一に照射できるかが非常に重要となってきます。
透過検査用のLED光源を選択する場合には、光源単体で決めるのではなく、撮影するカメラの感度やレンズの解像度、必要に応じたフィルタとの組み合わせを考慮することも大切です。例えば、高解像度カメラや高速シャッターを使用するケースでは、必要な光量が増えるため、カメラの露光時間と照明の最大輝度が合っているかを総合的に考えることが必要となってきます。
黒色フィルムのピンホール検査を行った事例です。こちらは、従来用いられてきた直線(ライン)照明によって照射したパターンですが、光量が不足しているため、有色で厚みのあるフィルムの場合にはピンホールがあったとしても検出を行うことが難しい状態になっています。
高輝度直線(ライン)照明を用いて黒色フィルムのピンホール検査を行いました(発光面照度:600万Lx)。こちらの照明を使用した場合には、黒色のフィルムだったとしてもピンホールの有無の検出を行うことが可能となっています。
実際に透過検査を行う場合には、「良品と不良品の差」について画像上で安定して分離できるかが非常に重要となってきます。そのため、まずは良品・不良品のサンプルを複数枚撮影して、欠陥が毎回同じ位置・同じ濃淡で現れるかという点を確認します。もしこの時点で撮影ごとに見え方が変わったりする場合には、透過検査の再現性が落ちてしまい、安定した検査を行うことが難しくなります。
透過検査では、光量不足や照射ムラがある場合には同じ対象物だったとしても明るさが変わってしまうことから、良品を不良と判定してしまう、不良品を見逃してしまうといった状況が発生する可能性が考えられます。また、工場の窓光や作業灯などの外乱光が検査エリアに侵入してしまうと背景条件が変化することから、誤検出の原因となります。この点から、検証を行う際には光量を意図的に変更する、外乱光を模した光を当てるなどして欠陥と背景の分離性を損なわれないかを確認し、必要に応じて遮光フードの設置などの対策を検討する必要があります。
「透過検査 LED光源」と検索して上位10位以内に表示された公式サイトのうち、透過検査に対応したLED光源を紹介します。(2026年6月16日調査時点)
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 発光色:赤(R) / 白(W) / 青(B) ※緑(G)は受注生産にて対応、赤色はより明るい4元素LEDでの制作も可能 |
| LED寿命 | 公式HPに記載無し |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 公式HPに記載無し |
エッジ式透過照明 UEBシリーズは、透過検査を行いたい際に向いている照明です。製品には、導光板を使用していることから、ムラなく均一な面発光を得られる点が特徴のひとつとなっています。直下式と比較した場合には光量は落ちるものの、こちらのシリーズを用いることによって省スペースでの透過検査を行えます。
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | W(白) / R(赤) / G(緑) / B(青) |
| LED寿命 | 公式HPに記載無し |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 自然放熱 |
表面検査や外観検査などさまざまな用途に使用が可能。同社のLLGシリーズよりも明瞭な画像取得が可能となるため、検査精度を向上させられます。また、白色のほかにR(赤)、G(緑)、B(青)をラインナップ。色ごとの特性を活かすことによって、異物検査や素材ごとの識別をよりはっきりと行うことが可能となります。高拡散性能によって鏡面や湾局した面においても安定した撮像を行えます。
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 白(W) / 青(B) / 赤(R) |
| LED寿命 | 1万時間経過で輝度10%低下(100%調光、30℃環境)※代表値 |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 公式HPに記載無し |
透明・金属ワークについて、高精度な輪郭抽出・異物検出を行うことを目的としたセンシングバックライト照明。「狭指向角タイプ」と「拡散タイプ」をラインナップしています。「FALUX sensing」を搭載していることによって、長期的な輝度安定に繋げている点も特徴のひとつです。LEDの配列を工夫して均一度を向上させ、周辺部の輝度低下を改善。同一の発光面サイズだったとしても、同社の従来品より大きな検査エリアの確保が可能です。
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 20,000cd/m2 |
| 波長 | 白(W) |
| LED寿命 | 定格寿命30,000時間(保証値ではありません) |
| 調光範囲 | 0〜100% |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 強制冷却(ファン) |
チップLEDを高密度に配置した、検査用の薄型高輝度LED透過照明装置です。ガラス製品や合成樹脂製品など、透明・半透明物体におけるピンホールや気泡、異物混入などの検査や、バックライトの光を利用したシルエットによる有無検査、形状検査、寸法測定などさまざまな用途に使用が可能です。電源は「多機能型」と「電圧可変型」を提供。カタログサイズ以外の発光面サイズの製作も行えます。
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 公式HPに記載無し |
| LED寿命 | 公式HPに記載無し |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 公式HPに記載無し |
顕微鏡、マイクロスコープ専用として作られたLED透過照明です。対象物の下から光を当てることによって、透明な物質の内部を観察できます。生体組織の薄切切片や細胞などのほか、細菌や鋭利な刃先やエッジ状の端面の観察を行うことも可能。各社の顕微鏡に適合する仕様となっています。
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 青色(470nm) / シアン色(505nm) |
| LED寿命 | 40,000時間(計算上の予測値) |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 高効率ヒートシンク構造・アルミダイキャスト鏡体 |
実体顕微鏡の蛍光励起に特化した、超高輝度LED透過照明装置です。ステージ直下の至近距離から高出力LEDをダイレクトに照射することにより、高い照度を実現しています。また、独自開発の複合ダイクロイックフィルターを搭載してバックグラウンドとなる光源の長波長側の余分な光をほぼ除去でき、ハイコントラストで微弱な傾向を分離します。さらに、高効率ヒートシンク構造など、使いやすさと長寿命を追求している点も特徴です。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。