プレス部品や樹脂による成形品など、さまざまな部品の外形や端面のずれを検出します。例えば、バックライト照明を用いて背景から光をあて、対象物のシルエットを真っ黒に浮かび上がらせることによって、エッジの座標を画像処理により抽出できます。形状がシンプルであり輪郭が安定している部品の場合には、基準となる座標と実際に取得したエッジ位置の差分を確認することで、位置ずれが発生しているかどうかの判定が可能となります。
製品パッケージに貼られたラベルや、製品の表面に施された印字の位置ずれについても判定可能です。印字面全体を均一に明るく照らし出した上で、ラベルの四隅のエッジや特定の文字の輪郭を基準として位置の特定を行います。
この点から、ラベルが指定の枠内からずれて貼られていないかを高速に検知できます。また、製品に刻印が行われている場合でも、印字部分と背景のコントラストを最適化することによって、高精度な判定を行えます。
プリント基盤の実装工程においては、極めて微細な位置合わせが求められます。このようなケースでも、基盤上に記されているアライメントマークなどを元にしてずれが発生しているかどうかの判定を行います。緑色の基盤について確認を行う場合には、赤色照明を使用することによって基盤からの反射を抑えられるため、よりコントラストの高い画像を得られます。
複数部品の組み付けを行った後に、それらが意図した通りの位置となっているかを確認する検査に用いることができます。検査の例としては、コネクタが奥まで挿入されているのか、カバーの隙間が均等になっているのかなどの判定を行います。この場合、外形や端面など、複数の基準を同時に捉えることが求められますが、複雑な形状の完成品において、不良品が流出してしまうのを未然に防ぐための重要な役割を担っているといえます。
バックライトは、対象物の背面(カメラの対向側)から光を照射することによって、対象物をシルエットとして真っ黒な状態に浮かび上がらせます。この場合、表面の模様などの情報を排除でき、純粋に外形の寸法や端面の位置のみを抽出できます。輪郭がシャープな白黒の画像を得やすいため、画像処理におけるエッジ検出が安定するメリットがあります。また、この方法は透明なフィルムやガラスの端面検出などにも応用されています。
同軸照明とは、レンズの光軸と同じ方向から光を当てる方法です。カメラのレンズと同じ軸上からハーフミラーを介して光を真下に照射し、対象物からの正反射光のみをカメラに取り込む方法です。この方法は、金属の鏡面やガラスなど、光沢のある平らな面を均一に光らせるのに適しており、傷や段差など傾斜がある部分は光が逸れて暗く映ります。この仕組みを利用することによって、平面上にあるマークだったとしても安定して検出できます。
対象物に対し、円環上に配置されたLEDから光を照射する方法です。この方法を用いると、全体的に光が回ることから、対象物の立体的な影を打ち消して表面の文字やパターンを均一に明るく撮像できますので、ラベルの印字ずれや基盤上の部品の有無を確認するなど、幅広い用途に活用できます。また、光沢が強いなど対象物の条件によっては拡散リングを選択して白飛びを防ぐことによって、エッジを鮮明に捉えられるようになります。
低い角度から対象物に対し光を照射する方法です。対象物の真上から光を照射した場合には確認できないような、表面のわずかな凸凹や部品同士の段差に光を当て、長い陰影を作り出すことでエッジを強調します。
この方法は、組み付けを行った後の部品の浮きや位置ずれの検出を行う際に有効な方法とされており、表面の不要な反射を抑えながらも、確認したい段差の輪郭のみをシャープに浮き上がらせられます。
位置ずれの検出を行う場合には、はじめに「どの部分を基準としてずれを計算するのか」という判定基準となるマークや輪郭、端面を明らかにすることが必要になります。その上で、部品全体の輪郭を基準にするのであればバックライト、アライメントマークを基準にするのであれば同軸照明といったように、判定基準を決めることによって照明方式を絞り込めます。もしこの基準が曖昧な状態で照明を選んだ場合、検出結果の数値がばらつく可能性があります。
ワークの材質や表面状態などによっても、光の反射特性が変わってきます。そのため、素材が「金属なのか樹脂なのか」、表面状態が「光沢なのかマットなのか」といった点を考慮したLED光源の選択もポイントのひとつです。例としては、光沢面に対しては同軸照明、マット面にはリング照明などが挙げられます。
また、対象物に色がついている場合には、LEDの波長(色)の選択も重要です。例えば緑色の基盤用にある赤いマークを目印とする場合には、補色(反対色)である緑色のLEDを選択すると、背景とのコントラストを上げることができます。
実際の生産ラインに導入する場合には、部品がベルトコンベアなどで搬送されている途中に検査を行うケースもあります。この時には、搬送中だったとしても対象物をぶれなく静止画として捉えるには、カメラの露光時間(シャッタースピード)を上げる必要があります。そのためには、撮影に対応できるだけの十分な光量(明るさ)の確保が必要となりますので、高輝度なLED照明を選択します。もし光量が不足すると画像が暗くなりぶれを抑えることが難しくなりますので、必要に応じてストロボ発光制御を検討します。
位置ずれ検出を行うにあたり、許容されるずれの量を正確に計測するには、対象物の境界線が画像上ではっきりとわかるように、十分なコントラストを出すことが求められます。コントラストが低い場合には境界線が曖昧になり、ずれの量を正確に算出できなくなるため注意が必要です。
基盤上のアライメントを検出する必要がある場合に、直射光リング照明を使用すると、基盤表面に照明が映り込んでしまうことから、アライメントマークの検出が行いにくくなる課題がありました。
ハーフミラーを介してカメラと同軸上から照射を行える、同軸落射照明を使用することにより、光沢面だったとしてもアライメントマークの検出が可能になります。そのため、実際基盤上のアライメントを検出する必要があるケースにおいても活用できます。
実際の現場に導入する前に、「正常な位置にある良品」と「意図的にずらした不良品」の双方を用意して、同じ照明条件での撮像試験を行います。この時に、正常位置とずれ位置の差を画面上で判別できるかを確認してください。
もし照明条件が不適切な場合、対象物が少し動いただけでエッジの形が変わって見えてしまい、良品を不良と誤判定する原因になり得ます。複数回撮像試験を実施し、測定座標のばらつきが許容内に収まるのかを検証した上で、実ラインに導入することが大切です。
光沢のある対象物を扱う場合には、照明の当て方によって意図しない部分が強く反射することで白飛びが発生する、周囲の構造物の影が落ちるといったケースがあります。画像処理を行う上では、これらが誤検出の原因となる可能性も考えられます。そのため、検証時には対象物を視野内で少しずつ動かし、位置が変わることで照明ムラや反射の見え方がどのように見えるのかを確認してください。もし問題が発生する場合には、偏光フィルターを使用して反射を抑える、斜光カバーを設置して外光の影響を防ぐなどの方法を検討することが有効といえます。
自社でLED照明の選定が難しいケースについては、専門家への相談がおすすめです。相談先としては、画像処理用LED照明を専門としているメーカーや、画像センサ・ビジョンシステムメーカーなどが考えられます。相談を行う際には、対象物の材質や搬送速度、許容ずれ量などをあらかじめ提示することで、スムーズな相談に繋げられます。
「位置ずれ検出 LED光源」と検索して上位10位以内に表示された公式サイトのうち、位置ずれ検出に対応したLED光源を紹介します。(2026年6月16日調査時点)
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 発光色:白(W) / 赤(R) / 青(B) ※緑色は受注生産にて対応、赤色はより明るい4元素LEDでの制作も可能 |
| LED寿命 | 公式HPに記載無し |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 公式HPに記載無し |
USCOシリーズは、画像処理用の擬似同軸照明(LED照明)です。こちらの照明を使用することによって、正反射の画像を得られるため、鏡面のように高い反射率の高い対象物に使用可能です。平面の均一照明に向いている点も特徴といえます。また、ライトコントロールフィルムを使用することによって、光質の変更も行えます。
| 本体構成 | 光源LED素子またはSMD |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 赤外(発光波長940nm)・赤色(発光波長650nm) |
| LED寿命 | 公式HPに記載無し |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 公式HPに記載無し |
大同特殊鋼によって開発された、高出力点光源LED素子です。こちらの製品を使用することによって、LEDを活用した光電センサによる位置検出精度が向上するため、微小な対象物の有無判別、物体検出の長距離化や高精度化に繋げられます。また、実装の生産性向上を目的とし、この点光源LED素子を透明樹脂で封止した表面実装部品(SMD)も開発されており、販売が行われています。
| 本体構成 | 公式HPに記載無し |
|---|---|
| 輝度 | 公式HPに記載無し |
| 波長 | 発光色:白(W) / 赤(R) / 青(B) |
| LED寿命 | 1万時間経過で輝度10%低下(100%調光、30℃環境) |
| 調光範囲 | 公式HPに記載無し |
| 調光方式 | 公式HPに記載無し |
| 冷却方式 | 公式HPに記載無し |
センシング同軸照明OPXシリーズは、プリント基盤のアライメントマークの検出のほか、微細な傷や打痕検査などの用途に適した照明です。狭指向角光源を採用することによって、高輝度かつ高均一な照射を実現。また、照射距離に関わらず均一な照射を行えるため、広い照射エリアの確保が可能な点もOPXシリーズの特徴です。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。