金属の外観検査では、表面に生じたキズや打痕、凹みなどを画像処理によって検出する場合があります。しかし、金属表面は光を反射しやすく、素材の加工模様や表面状態によっては、検出したいキズが画像上で捉えにくくなることがあります。そこで重要になるのが、検査対象の表面状態やキズの特徴に合わせたLED光源の選定です。照射方向や光の当て方を工夫することで、正常部とキズの違いを画像上で捉えやすくなる場合があります。
本記事では、金属のキズ検査で検討したいLED光源の照明方式や、アルミニウム板・鋼板を対象とした検査事例、光源を選定する際のポイントを紹介します。
金属の外観検査では、表面に生じたさまざまな欠陥を確認します。代表的なものとして、キズや打痕、凹みなどが挙げられます。
特にキズ検査では、キズの深さや幅だけでなく、金属表面の反射状態や加工模様によっても画像上での見え方が変わります。そのため、検査対象に合わせて照明条件を検討することが重要です。
斜光照明は、ワークに対して斜め方向から光を照射する方式です。金属表面のキズや凹凸によって生じる光の変化を利用し、正常部との違いを画像上で捉えやすくする方法があります。
キズの方向や形状、金属表面の状態によって見え方が変わるため、照明の方向や角度を検討しながら、キズを明瞭に捉えられる条件を確認する必要があります。
同軸落射照明は、カメラと同軸上からワークに光を照射する方式です。金属表面の反射状態を利用し、正常部とキズや凹みなどの欠陥との明暗差を捉える方法があります。
アイテックシステムの事例では、鋼板の浅い打痕に対して高輝度直線同軸落射照明を使用し、打痕部分を黒い点として検出しています。
金属表面に加工模様などがある場合、単一方向からの照明ではキズとの違いを捉えにくくなることがあります。
そのような場合には、複数方向から光を照射して、それぞれの照明条件で得られる画像を利用する方法もあります。検査対象の表面状態やキズの特徴に応じて、照明方式を検討することが重要です。
アルミニウム板のキズ検査では、ヘアライン加工による表面の反射や模様の影響によって、キズを画像上で捉えにくい場合があります。
照明条件を変更することで、アルミニウム板の表面にあるキズを捉えやすくした事例です。金属表面の加工模様や反射の影響を考慮し、検出したいキズが明瞭になる照明条件を検討することがポイントです。
鋼板の打痕検査で、直線ライン照明によるローアングル照射を用いても、浅い打痕を検出することが難しいという課題がありました。
高輝度直線同軸落射照明を使用したところ、打痕部分で光が乱反射し、正常部との明暗差が生じることで、打痕を黒い点として検出できる事例です。
金属のキズ検査では、キズと正常部の違いを画像上で明瞭に捉えられるかが重要です。金属表面の反射や加工模様によってキズが見えにくい場合は、照射方向や照明方式を変更して、コントラストを確保できる条件を検討します。
同じ金属でも、素材や表面処理、加工方法などによって光の反射状態は異なります。実際のワークを撮像し、キズがどのように写るかを確認したうえで、適したLED光源を選ぶことが重要です。
金属板など広い範囲を検査する場合は、カメラの視野や検査幅に合わせて照明の形状や照射範囲を検討します。ラインカメラを使用する検査では、検査ラインに合わせた直線状の光源を使用する方法もあります。
適したLED光源は、検査対象の素材やキズの状態、カメラ、設置条件などによって異なります。そのため、実際のワークを使用して撮像テストを行い、キズと正常部のコントラストを確認しながら照明条件を決めることが大切です。
金属のキズ検査では、表面の反射や加工模様によってキズが見えにくくなる場合があります。斜光照明や同軸落射照明など、検査対象に合わせて照明方式を選ぶことで、キズや打痕などの表面欠陥を画像上で捉えやすくできます。
実際の検査では、金属の種類や表面状態、キズの特徴、検査範囲などを確認したうえで、LED光源の種類や照射方向を検討することが重要です。実際のワークを使った撮像テストを行い、検査対象に適したLED光源を選定しましょう。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。