自動車や電子機器の内部配線を担うワイヤーハーネスは、圧着端子や被覆の状態が電気的な信頼性に直結する部品です。圧着不良や被覆の傷は導通不良や断線につながるため、製造工程では圧着部・被覆・端子形状を対象とした外観検査が欠かせません。
本記事では、ワイヤーハーネス・圧着端子でよくある不良の種類と、LED光源装置を用いた検査のポイント、導入事例について解説します。
ワイヤーハーネスの製造工程は、電線の切断・先端の被覆ストリップ・端子の圧着という流れで進みます。圧着工程では、芯線を包み込むバレル部の断面高さ(クリンプハイト)が規定値から外れると、接触抵抗の増加やワイヤー抜け、長期的な接続信頼性の低下につながる可能性があります。
また、絶縁かしめ部でかしめ量が不足すると被覆が固定されず、逆に過大だと被覆が裂けたり、圧着位置のずれによって芯線が過度にはみ出したりするため、圧着部・被覆の両方を対象とした確認が必要です。
ワイヤーハーネスの検査は、大きく「圧着部の外観検査」と「被覆・芯線の状態確認」に分けられます。
導体圧着部の形状や芯線の飛び出し・潰れの有無を画像上で捉え、規定範囲に収まっているかを判定します。立体的で反射しやすい金属端子が対象となるため、影や正反射の影響を抑えながら輪郭を明瞭にする照明設計がポイントです。
被覆の噛み込みや裂け、電線の色(極性)識別などを行います。コネクタハウジングに圧着端子が挿入された状態では、ハウジングの陰になる部分と被覆のエッジ部分とのコントラストが取りにくく、見た目の判定がぶれやすいという課題があります。
なお、ワイヤーハーネスには導通検査(配線の短絡・断線・誤配線の確認)という別の検査工程もありますが、これは電気的な特性を確認するものであり、外観検査とは目的が異なります。
コネクタ圧着後の被覆エッジ部分を確認する際、コネクタ部に影が発生することで被覆とのコントラストが十分に得られず、安定した検査が難しいという課題がありました。
照明の照射方法を工夫することでコネクタ部の影を軽減し、被覆エッジ部分とのコントラストを改善。被覆の状態をより安定して確認できるようになりました。
ワイヤーハーネス検査では、金属端子の反射やコネクタハウジングの陰による影の影響を受けやすいため、照明設計が検査精度に直結します。圧着部の輪郭を確認したい場合は同軸照明や拡散照明、素線の潰れ・はみ出しといった微細な凹凸を強調したい場合はローアングル照明など、検出したい欠陥に応じた光学設計が重要です。
「同じ製品でも検査員によって判定にばらつきが出る」「熟練作業者でないと微細な不良を見抜けない」「目視から自動検査に切り替えたいが判定が安定しない」など、ワイヤーハーネスの検査現場では品質のばらつきに悩まされるケースが少なくありません。
だからこそ、工程や検出したい不良に応じてLED光源を適切に選定することが、検査の自動化・安定化における重要なポイントです。用途に合わせた照明選定が、安定した外観検査の実現につながります。
検査工程では、用途に応じて必要な明るさで対象を照らすことが求められます。
しかし目的によって必要な光の条件が異なり、装置の選定に迷うケースも少なくありません。
こうした現場での課題に応えるため、検査目的別に適したLED光源装置をおすすめ3選を紹介します。